第19回 東大入試《地歴》問題の傾向&対策 世界史

東大研究室

世界史

2011年度までの出題傾向

東大の世界史は大論述の第1問小論述の第2問語句記述を中心とした小問集合の第3問という問題構成になっており、これは今年度においても変わらなかった

第1問は、指定文字数が500〜600字の論述問題である。傾向としてはまず、問題文が比較的長く、ここで解答して欲しい「題意」をおおよそ明示している点が挙げられる。この特徴的な問題文は、同じく難解な論述問題を出題する一橋大や京大とは大きく異なり、東大にのみ見られる

取り上げられる地域や時代・テーマは多様だが、ヨーロッパを中心としつつも、グローバルな広い視野を求められる傾向が強い。また、政治・経済史が多く文化史は少ない。しかしながら、今年度アラブ・イスラーム世界と他地域の交流で生じた文化的な動きについて論じさせる問題を出題したように、突然、傾向からはずれることも珍しくない

また、ほとんどの場合、指定語句が設定されている。指定語句はヒントとして役立つこともあるが、安易に誘導に乗ると逆に要求されている事項の「抜け」が多い答案になってしまうので気をつけたい。指定語句以外の部分を「題意」に沿った形で埋め合わせていくことが、第1問の解法の“”である。総じて知識量もさることながら、「題意」を正確に読み取る能力と、それをまとめあげる文章構成力が求められる設問と言える。

第2問は60〜150字の論述問題が5〜6題出題される。これらの問題は難易度の差が激しい。易しいものは非常にオーソドックスな頻出テーマを扱うが、難しいものは細かい知識を必要とし、かつ、短い字数でまとめる困難さもある。

第3問の小問集合は、例年易問である。2011年度も、だいたい教科書レベルの語句記述であったが、例外的に問(8)で記号選択式が出題された。この第3問は、ぜひ満点をとりたい

2012年度入試に向けての対策

まず注意すべきこととして、第2問・第3問対策をおろそかにしないことである。東大受験生はどうしても、第1問対策に目がいきがちだが、まずは第3問から順に対策を行いたい。

その第3問対策として、まず基礎的な知識を軽視しないこと。語句記述が中心なので、字句を正確に覚えることが重要である。幅広い知識を蓄え、満点を狙う意気込みで学習すること。ここで習得した知識が第2問・第1問にも活かされるのは、言うまでもない。

第2問対策としては、オーソドックスなテーマの論述がしっかり書けるよう練習することである。60〜150字程度の論述は、他大学でも数多く出題されており、参考になる。名古屋大や北大の過去問をあたってみると良い

そして最後に第1問対策にとりかかる。

まず、問題文の読解力を磨くこと。第1問は、その問題文の中に解答の指針がはっきりと示されている。「題意」をしっかりと読み取れることが、第1問突破の第一歩である。

次いで、文章構成力を強化すること。手順としては、まず構想メモを作り、つぎにそれを文章化していく、という二段階になるが、指定字数にまとめ上げるのは慣れないと難しい。1題につき30分を超える根気のいる作業となるだろうが、じっくりと腰をすえて長文を書き上げる訓練をして欲しい

第1問の具体的学習法としては、東大の過去問を逆上って解いていくことを勧める。長文論述の練習になるだけでなく、第1問のテーマはしばしば繰り返して出題されるため、たとえば20年前の過去問が役に立った、ということもありうる。また、数百字の論述にまだ慣れていない、というのなら、他大学の過去問で演習するのも良い。名古屋大や筑波大の論述問題は難易度もそう高くなく、長い論述の練習題材としてお勧めできる

SAPIX YOZEMI GROUP「2011-2012 winter東大合格プロジェクト」より転載

次回は、「東大入試《地歴》問題の傾向&対策 地理」を掲載予定です。

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