第17回 2012年度 医学部入試合格のための対策〈数学〉

医学部研究室

数学

国公立大学2次

もう、志望校はある程度決まっていると思います。大学のホームページで合格に必要な総合点を調べ、そのうえで数学の目標得点を設定しておきましょう。

一般的に、大学入試の頻出分野は微分・積分と確率で、それに加えベクトルや図形と式、数列などもよく出題されます。ただし、医系単科大学の中には確率の出題が少ない大学や、証明問題がよく出る大学など、出題に特徴のある所もあるので早めに過去問を見て傾向をつかんでおきましょう。

たとえば、旭川医大では数Ⅲからの出題が主で確率はあまり出ていません。また、浜松医大では医学に関連する長文の問題(2010年度は感染症対策に絡めた数列の問題)が出題されることが多々あります。センター試験の結果で出願校を変更するつもりの人は、出願の可能性がある大学すべてについて、出題傾向をチェックしておきましょう。

国公立大医学部を受けるほどの受験生なら、すでに基礎は固まっているはずです。これから入試本番まで実戦演習中心の学習をしていきましょう。その過程で万一、基礎事項に不十分なところがあったら、早急に復習をしてください。

医学部の入試問題の難易度は高く、かつ高得点をとらねばならないので、出来なかった問題は解答を見て理解するだけでなく、繰り返し解き直して完全にマスターしましょう

解答を書く際は走り書きではなく、常に採点者を意識した答案作成を心掛けましょう。日頃、他人に読みにくい字を書いている人が、入試本番で急に読みやすい字を書くことは出来ません。数字の179、アルファベットのnhなど、まぎらわしい文字は要注意です。

また、立式に至る説明や計算式および図などを適度に書いていないと、最終的な答が正しくても減点される可能性があります。逆に、答が間違っていても、説明部分が評価されて部分点をもらえる場合もあります。計算の途中経過は、あまり詳しく書く必要はありませんが、解法の手順ははっきり示してください。代ゼミの模試を受験して、答案作成の練習をするとよいでしょう。

私立大学

私立大医学部の問題は、“御三家”と呼ばれる慶應大・東京慈恵会医科大・日本医科大を除けば、国公立大医学部ほど難しくありません。ただし、問題量の割に試験時間が短く、計算に手が掛かる場合が多いので要注意です。

“御三家”対策としては、国公立2次対策のように、じっくりと考え丁寧に答案を作成する練習が必要でしょう。また、比較的易しいが問題量の多い大学の志望者は、早く正確な計算の練習をしてください

記述式の解答は、採点者に見てもらうことを意識して丁寧に書くことを心がけましょう。ふだんから読みやすくてコンパクトな答案を書いていないと、本番でも乱雑な答案になりがちです。問題演習をして出来なかった問題は、繰り返し解き直して完全にマスターしましょう。

大学ごとに問題量や難易度は異なるので、早めに過去問を見て出題傾向をつかみ、自分の学習内容を設定してください

たとえば、順天堂大は第3問で基本事項の定義を説明し、それに関連した公式の証明をするパターンの問題が2005年度以降定着しています。用語の定義や公式の証明は、案外とっさには思い浮かばないものなので、基本事項をしっかりと学習しておかなければなりません。

私立大医学部の合格最低点は60%台のところが多いのですが、70%以上の大学もあります。ホームページで合格最低点を公表している大学も多いので、目標得点を設定する目安にしましょう。

SAPIX YOZEMI GROUP「2011-2012 WINTER 医学部合格プロジェクト」より転載

次回は、『医学部入試合格のための対策〈英語〉』を掲載予定です。

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