物理
国公立大の場合
物理は出来る生徒にとっては満点を取りやすい科目です。つまり、基礎的な学力の達成度を見るセンター試験では、9割以上の得点は当たり前であり、センターでは差がつかず2次試験の出来・不出来で大きな差がつく可能性が高いのです。
2次試験の物理は、力学と電磁気が必出で、他の1題が熱または波動からの出題という構成が多く見られます。
項目としては、力学は物理Ⅱの円運動と単振動、電磁気は物理Ⅱのコンデンサーと電磁誘導が頻出ですから、これらについて理解を深め、標準以上の問題にも対応できる考察力と計算力を身につける必要があります。
とくに、初見の問題にも対応できる物理的な考察力が、高得点への必須条件です。また、医系単科大では原子分野を出題範囲とする(札幌医大・東京医科歯科大・京都府立医大)など、各大学の個性が現れやすい傾向があります。
たとえば、札幌医大では物理Ⅰの波動分野からはあまり出題されず、代わりに物理Ⅱの原子分野から論述を含めて出題される、というような傾向があるので、過去問の研究は有効です。
私立大・準大学の場合
出題形式(マーク・記述)、大問数などは各大学で様々です。しかし、出題分野が力学と電磁気が必出、残りが波動または熱(両方出題の場合もあり)、学力に関しても標準的な問題に対応できる考察力と計算力が必要であることは、国公立大の場合と同じです。
その一方で、各大学による特徴—たとえば、慶大・医では第1問が小問集合、原子分野が出題される、PET(ポジトロン断層法)など物理に限らない理科に関する常識が出題される、あまり見かけない難易度の高めの問題で考察力が試されるなど—があるので、過去問の研究が重要となります。
防衛医大については、途中経過記述式であり、出題分野・難易度は国公立大とほぼ同じです。ここでも考察力や計算力を含めた高い学力が、要求されています。
SAPIX YOZEMI GROUP「2011 spring医学部合格プロジェクト」より転載
次回は、『医学部入試問題 傾向と対策〈化学〉』を掲載予定です。