[解答解説・講評掲載] Y-SAPIXからの挑戦状 — 算数好きな皆さんへ(小学5年生以上対象)

挑戦へのご応募は受付終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。

問題にチャレンジいただいた皆さんに向けて、「中学入試へのアドバイス」「問題の解答解説・講評」を掲載しました。こちらよりご覧ください

[2016.01.13]

中学校に入ってから、算数を好きだった生徒が数学を嫌いになってしまうというケースを残念ながら見かけます。

確かに数学を初めてすぐは新しい規則に慣れるため、基本的なことの繰り返しになりがちですが、ちょっと待ってください。それって実はもったいないことではないでしょうか。

実は、皆さんは大学受験にも通用する「考え方」をすでにたくさん身につけています。

中学校に入って塾通いを始めようと思っても、皆さんの学力を理解していない塾だと「考え方」を楽しむ学習はかなり先の学年にならないと出来ないということになりかねません。

Y-SAPIX では算数が大好きな皆さんにさらに数学も好きになって欲しいと考えています。もちろん新しい数学の規則に慣れる練習も大切ですが、同時に今まで培ってきた「考える」楽しみを刺激する、しかも大学受験に直結する授業を準備して待っています。

入試を間際に控えた皆さんも多いかと思いますが、今回は中学受験にも大学受験にも役立つ問題で小学校5年生以上の皆さんに挑戦します。

中学入試へのアドバイス

点の移動の問題で、「2等分」などと問われたとき、どのように対処するか整理しておきましょう。

問題に合わせ、次の3つの作戦が考えられます。小問ごとに考え方を変える必要があるケースもありますので、1つの考え方に凝り固まらないよう注意して解くようにしましょう。

① 1秒ずつ動かすなどして、面積の変化を直接考える

② 上底+下底の変化に置き換える

③ ある決まった点(2等分であれば点対称の中心)を通ることを利用する

① は面倒に思いますが、これしかない、という問題も多々あります。

SFCや筑駒で出題された次の問題のようなタイプでは、地道に面積そのものの変化を追いかける必要があります。

例題1

点Pは点Aを出発し、長方形ABCDの周上を秒速1cmの速さで反時計回りに休まず動く。折れ線AEPが長方形の面積を初めて2等分するのは何秒後か。

例題1の解説

このようなケースでは落ち着いて少しずつ(角ごとに止まって)考えます。

まず6秒でBに到着し、この時点で三角形AEPの面積は12cm²。この後、あと
30 – 12 = 18 の18cm² 増やせばよく、あと 18 × 2 ÷ 4 = 9、6 + 9 = 15 の15秒後に面積が30cm² になることが分かります。

このように、面積そのものの変化を考えるしかない問題も多数存在しますが、2等分する図形が特別な図形の時は ② や ③ の工夫も考えましょう。

例題2

下の台形ABCDにおいて、点Pが点Aを秒速1cmで出発し辺AD上を点Dまで進む。Pが出発してから2秒後に点Qが点Bを秒速3cmで出発し、辺BC上を点Cまですすむ。直線PQが台形ABCDの面積を初めて2等分するのはPが出発してから何秒後か。

などという問題ではそもそも面積そのものが求まりません。

例題2の解説

上底+下底が (15 + 25) ÷ 2 = 20 の20cmになればよい、と考え、
(20 – 2) ÷ (1 + 3) = 4.5、Pが出発してからなので 4.5 + 2 = 6.5 の6.5秒後
と求められます。

例題3

1辺6cmの正6角形ABCDEFの辺上において、点PがAを秒速3cmで出発し、同時に点QがBを秒速5cmで出発する。どちらの点も休まず時計回りに動く。直線PQが正6角形の面積を初めて2等分するのは何秒後か。また、10回目に2等分するのは何秒後か。

例題3の解説

点Qが点Pに 6 × 3 = 18 の18cm差をつけたとき、点Qは点Pのちょうど反対側にいることになります(必ずしも頂点にいる必要はありません)。

このとき直線PQは6角形の中心を通り、1回目は (18 – 6) ÷ (5 – 3) = 6 の6秒後。この後は点Qが点Pに36cm差をつけるごとに同じ状況になるので 36 ÷ (5 – 3) = 18 の18秒ごとに面積を2等分する。

よって、6 + 18 × 9 = 168 の168秒後となります。

このように、問題により意識して作戦を使い分けていきましょう。

長くなりましたが、解答解説に移ります。

解答解説

では、この問題での作戦はどのようになるでしょうか。

この問題でも上の ③ のように、下図1の点を通ればよいことに気付くことが第一歩となります。左の長方形が 1 : 1 に分かれますので 1 : (1 + 2) より 1 : 3 となります。

ただし、上の図の場合は「上と下の辺を通る直線」でないと面積を1 : 3に分けていません。右の長方形に直線がかかってしまいます。よってこのケースで直線が通れる場所を考えると、図2のようになります。

このような点は全部で4つありますので、これらをすべて重ねると直線が通れる部分が下図3のようになり、斜線が引かれていない部分の面積を求めればよいことになります。

あとは図4のように補助線を引く斜線の面積を求めやすくなります。線の多い図形にさらに補助線を引くことは抵抗がありますが、相似をあぶり出し、面積を求めやすい状況になりました。

後は図5の二つの三角形の面積を求め、その和の8倍を求めれば答えが求められます。

図6より左側の三角形は底辺が1.5cmで高さは ⑤ = 3 より ① = 0.6 となり、
面積は 1.5 × 0.6 ÷ 2 = 0.45 の0.45cm²、右側の三角形も同様に 1.5 × 1 ÷ 2 = 0.75cm² となります。

よって求める面積は (0.45 + 0.75) × 8 = 9.6 の9.6cm² となります。

以上です。

6年生の皆さんの多くはこれから入試本番を迎えることと思います。サピックスでの学習を信じ、全力で問題にぶつかってください。健闘を祈ります。

講評

多数の応募ありがとうございました。

「線が通れない部分」という耳慣れない表現にもかかわらず、多くのみなさんは正しくどこの面積を求めるべきか考えられていました。

その後の相似などを活用して面積を求める部分も決して簡単ではありませんでしたが、以下の皆さんは見事に正解をされていました。今回の最優秀賞として表彰させていただきます。

最優秀賞

  • 東京都 5年 Oくん
  • 東京都 6年 Sくん
  • 東京都 6年 Tさん
  • 東京都 6年 Yくん
  • 東京都 6年 Mくん
  • 東京都 6年 Wくん

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