« 東大入試プレ問題〈英語・問題1〉の解答はこちらをご確認ください。
今回は東大入試プレ問題〈数学〉の整数問題です。
東大入試プレ問題にチャレンジしてみましょう。
数学
理科第1問

解答例と解説
東大入試に頻出の整数問題である。
- 「背理法」を用いる
-
(1)は、無理数の定義は、「有理数でない数」であるから、証明は当然「背理法」を用いることになる。
すなわち、
と仮定して、矛盾を示すのである。ここで、
より、p と q は自然数で、かつ p と q は互いに素と設定するのがポイントである。これにより示すべき目標が、「p と q が2以上の公約数をもつ」とはっきりしてくる。 - ガウス記号の扱いがポイント
-
(2)は、ガウス記号の扱いがポイントになる。
ガウス記号とは「x を越えない最大の整数を表す記号」で、
などが成り立つ。過去の東大入試でも何題か出題されている。本問では、
とおいて考えてみるとわかりやすいだろう。ガウス記号の性質より
となるから、各辺2乗して
ここで、各辺4で割った余りを考えるとよい。「平方数を4で割った余りは0または1」であるから、
を4で割った余りは0または1である。よって
が成り立つ。これより
となるから、
すなわち、
と
の整数部分はm
が証明される。この解法のポイントは、4で割った余りを考えるところで、
m が偶数 ⇔ m2 を4で割った余りは0
m が奇数 ⇔ m2 を4で割った余りは1
は重要な性質なので是非覚えておきたい。整数問題は決まった解法パターンが存在しないので難しいが、できるだけ多くの問題にあたるようにして、解法の幅を拡げておきたい。
「Y-SAPIX Journal 2011 AUTUMN」より転載
次回は、「東大入試プレ問題分析〈国語・現代文〉」を掲載予定です。