第11回 東大合格に必要な学力とは?〈古文・漢文〉

東大研究室

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古文・漢文

古文

東大(文科)の受験生の復元答案をみると、さすがに基本単語の意味や文法事項はそれなりに身についていることがわかる。

ただ、そうした知識を文脈をあまり考えずにそのままあてはめて現代語訳している答案があまりにも多い。本文を何度も読み返して、改めて解答を検討するという手間が省かれてしまっているようだ。

東大の古文は比較的短い文章がとりあげられ、内容的にも決して難しいものではない。限られた時間の中であっても、十分読み直しができるはずである。表面的な読みでは、出題者の狙いも見えてこない。読みが浅いゆえにポイントを外してしまっているのである。

1)まずは、正確に逐語訳をする力をつける

日頃の学習では、予習の際、ノートに2行ほど空けて本文を書き写し、隣の行に文法的説明をつけ、さらに隣の行に自分なりの訳文をつけてみるようにする。

授業では、説明を聴きながら自己添削をし、訳出ミスがあったら文法上のチェックを怠らず励行することが大切となる。

東大古文と言えども、読解に直結する文法事項や覚えておくべき単語の数はそう多いものではない。問題演習を通して得た知識は、何度も反復して確実に定着させる。

2)文脈を踏まえて、意訳する力をつける

東大古文の現代語訳問題では、「言葉を補って」「内容がよくわかるように」などの条件がつくことがある。条件がなくとも、その狙いは文脈に即した訳出にあると考えるべきである。それゆえ、授業を通して、文脈から言葉を補ったり、既知の単語知識だけに頼らない、より文意の通る訳文を心がける習慣を身につけることが大切である。

3)問題演習を通じて、豊かな語彙力を身につける

内容説明問題では、解答欄のスペースが狭く、出題者の狙いをつかんで完全答案を作成するためには、簡潔な表現に置き換える必要が出てくる。古文の記述問題であっても、現代語を含む豊かな語彙力が求められる。つまり、「表現力」は現代文における語彙力にかかわることになる。

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