化学
国公立大学2次
東大、京大の難度が突出しています。他の大学は標準問題が中心ですが、よく練られた隙のない問題が多く見られます。また、東京医科歯科大や医系単科大では独自の特徴があり、高校の学習範囲外の内容も散見され、難易度の高い問題も出題されています。
出題分野は理論・有機が中心です。理論分野で難易度の高い問題は化学Ⅱ(「気体」、「溶液」、「平衡」)から多く出題されます(特に「蒸気圧」、「反応速度」、「化学平衡〔電離平衡、解離平衡、溶解平衡、蒸発平衡など〕」から)。また、無機と理論、有機と理論を織り交ぜた総合形式の問題が国公立大化学の特徴の1つと言えます。
対策としては、基礎理論の確実な理解を目指し、思考力やハイレベルな計算力を要する問題を解ける力を養うことが肝要です。国公立大では論述問題の比重も大きく、計算過程を記述させるところも多いので、日頃からの練習が必要です。
また、医学や薬学に関連した有機化合物や、日常生活に関連した物質・現象を扱うことも多いので、日頃からそれらに興味・関心を持ち、化学的理解を深めておくことも必要です。
私立大学
出題形式は「記述式」、「マーク式」、「記述・マーク併用式」に分けられ、難度の高い大学ほど「記述重視」の傾向にあります。
出題内容は理論・有機が中心で、偏差値上位校ほど問題が難しくなります。理論分野では化学Ⅰ・Ⅱの広範囲から出題されますが、化学Ⅱ分野の得点が合否に大きく影響します。とくに「化学平衡」は頻出で、「緩衝溶液の電離平衡」、「溶解度積」なども出題されています。
有機分野では糖類、アミノ酸、タンパク質、ペプチドに関するものが多く「タンパク質のβ—シート構造」、「レシチン」、「ATP」、「核酸」など「生命化学」からの出題も散見されるので、受験校の過去の出題内容は必ず確認しておく必要があります。
SAPIX YOZEMI GROUP「2011-2012 WINTER 医学部合格プロジェクト」より転載
次回は、『医学部入試合格のための対策〈生物〉』を掲載予定です。