英語
一般に、数学なら受験生が解けない難問もあり得えますが、英語ではそれほどの難問は考えられません。したがって、医学部合格に求められる英語力は、ハードルが高くなります。
どんな話題でも柔軟に対応できる質の高い語彙力、しっかりした構文・文法力に裏づけられた正確な読解力、正確な読解を短時間で可能にする豊富な読解経験、読み取った内容を的確に表現する日本語力など、いずれも最高水準のものが必要とされます。
国公立大の場合
言うまでもないことですが、まずはセンター試験全体での高得点(概ね85%超)が必要です。国語ではそうそう点が取れていないので、英語+リスニングで、合格者の大半がおそらく90%(225/250点)以上の得点をマークしていると思われます。
一方2次試験では、公開された合格最低点を見ると、たとえば旭川医大の44%(155/350点)〜広島大[医A配点]の78%(1402/1800点)まで、大学によって問題難度に大きな差があります。しかし、全般に数学が難しい大学が多いことから、英語では概ね6〜8割は取っていると推定されます。それだけの得点を挙げるには、記述問題では減点を免れないので、まず客観問題を確実に取ることです。
たとえば、代ゼミが実施している復元答案を見ても、東大理Ⅲ合格者は2010年度(前期)において、問1Bのパラグラフ整序、問4Aの不要語削除、問5の長文読解などをそつなく取っています。そういう、確実に得点できる要素は確実に拾ったうえで、和訳では構文・文型を外さない、要約や説明問題では論旨を外さないことが前提であり、減点されても部分点をもらえるような骨格の確かな答案が求められます。
私立大・準大学の場合
英語だけで見た場合、やはり7割以上の得点が確実に必要と思われます。また、多くの国公立大と追って学部単位で出題するため、大学によっては医学や健康を題材とした長文が出題される場合もあるので、近年の医学的話題に関する語彙も持っておく必要があります。
SAPIX YOZEMI GROUP「2011 spring医学部合格プロジェクト」より転載
次回は、『2012年度 医学部入試の展望』を掲載予定です。