第12回 医学部入試問題 傾向と対策〈生物〉

医学部研究室

生物

国公立大の場合

生物問題の難易度は大きく「標準問題」と「考察問題」に分けられますが、旧7帝大や医系単科大では「考察問題」の比重が高く、それ以外の大学は「標準問題」と「考察問題」がほぼ同じ割合である場合が多くなっています。

医学部以外の学部と共通問題になる総合大学の場合、合格には高得点が必要となるので、まず「標準問題」の失点は許されません。また、「考察問題」も6割以上得点しなければなりません。

生物全分野における標準〜やや高度な知識と理解をもれなく確実に定着させ、さらに深い考察力を養うため、数多くの資料を解析し、実戦考察問題を解く必要があります。

また、解答形式の多くが論述式ですから、答案作成における不用意な失点は許されません。したがって、的確な文章構成力養成のため、論述問題の演習は欠かせないでしょう。

私立大の場合

私立大の医学部では、「ヒトを中心とした遺伝や動物生理」からの出題が多いことが大きな特徴で、知識問題が中心となっています。

高校の教科書で詳しく取り上げられることのない「消化と吸収」・「循環系」・「性周期などの内分泌系」・「感覚器」などに関する詳細な内容や、「遺伝子治療」・「臓器移植」・「再生医療」など、直接医学に関わる分野からの出題も見られます。

また、高度な内容の「分子遺伝」の他、「ホメオティック遺伝子」・「iPS細胞」・「テロメア」・「PCR法」など、話題になっている題材が出題されることも多くあります。

国公立医系単科大や難関私立医大では、上記の私立大医学部の特徴に加え、問題自体の難易度が高い場合が多くなっています。それは、医学は生物学を基礎とした学問であることから、各分野の専門家が出題する場合、高校生物の学習範囲外や最先端の話題・技術を題材とした内容が、十分な配慮なく扱われる場合があるからです。

入試で高得点を目指すには、医学部入試に特徴的な問題を数多くこなすとともに、新聞や医学・生物関係の科学雑誌、書籍を通じて最新の話題に関心を持つことが必要です。

SAPIX YOZEMI GROUP「2011 spring医学部合格プロジェクト」より転載

次回は、『医学部入試問題 傾向と対策〈英語〉』を掲載予定です。

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