第16回 東大入試《理科》問題の傾向&対策 化学

東大研究室

化学

2011年度までの出題傾向

例年、東大の設問別出題分野は、

第1問:理論または理論・無機融合(小設問2題)
第2問:理論または理論・無機融合(小設問2題)
第3問:有機(小設問2題)

である。2011年度は第1問、第2問いずれも理論、第3問は有機であった。

第1問、第2問では計算が複雑であったり内容的にかなり難しいものも出題され、ハイレベルな力が要求される問題が少なくとも1題は出題される

第3問の有機は第1問、第2問に比べ比較的得点源になりやすい。計算問題では解答までの途中経過が要求されており、論述問題も含まれるので、75分以内で全問解答するのは極めて難しい得点源になりやすい有機分野から取り掛かるのも、1つの攻略法である。

出題分野は、理論では化学Ⅰ、化学Ⅱの広範囲に渡っている。2011年度はアンモニアの電離反応速度、食塩水の電気分解と熱化学、2010年度はメタンハイドレートと熱化学、酵素の反応速度、リチウムイオン電池の構造と反応が取り上げられ、いずれも熱化学反応速度電気化学について出題されているのが特徴的であった。

特に、熱化学は3年連続で出題されている。また、年度により実験データ解析、グラフ解析を通じてレベルの高い考察力を要するものも出題されている。この手の問題は一筋縄では解けず、演習にかなり習熟していないと難しい

無機は理論との融合問題が主流で、単純な知識問題は少なく理論の比重が大きいのが特徴である。2011年度は酸化還元滴定とCa2+の定量、NaOHの工業的製法、2010年度はPd錯イオンの構造と反応について出題されたが、いずれも比較的オーソドックスな設問であった。

有機分野では、構造決定問題と実験に関するものが多く出題されている。思考力を要するものもあるが、得点源になりやすいので、この設問の失点は合否に大きく影響する

例年、化学Ⅰが主流でエステルの構造決定問題が多く、化学Ⅱの糖類、タンパク質とアミノ酸、ペプチドに関するものは比較的少ないが、油断は禁物である。

2009〜2011年度までの出題内容

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2012年度入試に向けての対策

理論ではハイレベルな力が要求されるので、第1に基礎理論の確実な理解と傍用問題集等の基礎・標準レベルの計算力は確実に身に付いていないと難しい。この条件をクリアーした上で、第2に応用・ハイレベルな問題の演習を通じて思考力・考察力を養い、データ解析、グラフ解析、描図、論述に対して柔軟に立ち向かえる力を身に付けておく必要がある。

無機は基本・標準的な設問が多い。教科書の知識に漏れがないよう再点検し、無機の範囲で扱う化学反応については、すべて反応式で書けるようにしておきたい。また、無機の範囲で扱う化学実験についても理解の幅を広げておく必要がある。

有機は標準問題が中心なので、置換、脱水、縮合、加水分解など種々の反応や、異性体、検出反応について正しく理解し、出題率の低い糖類、タンパク質、アミノ酸などについても漏れのない知識が必要である。

SAPIX YOZEMI GROUP「2011-2012 winter東大合格プロジェクト」より転載

次回は、「東大入試《理科》問題の傾向&対策 生物」を掲載予定です。

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