生物
国公立大学2次
医学部以外の学部と入試問題が共通の総合大学は、比較的「知識問題」の比重が高い傾向にあり、難易度はさほど高くありません。しかし高得点が必要となるので、全分野において標準〜やや高度な知識と理解が不可欠です。
また、「考察問題」は点数に差がつく一番の原因となるので、6割以上得点しなければなりません。とくに旧帝大は「考察問題」の比重が高いので、十分な対策が必要です。
医系単科大では、高校の教科書で詳しく取り上げられることのない「消化と吸収」、「循環系」、「性周期などの内分泌系」、「感覚器」などに関する詳細な内容や、「遺伝子治療」、「臓器移植」、「再生医療」など直接医学に関わる分野、「分子遺伝」、「ホメオティック遺伝子」、「iPS細胞」など最新の題材からの出題も多く見られます。
合格には、医学部入試に特徴的な問題を数多くこなすことが必要です。また、論述問題の演習も欠かせません。
私立大学
私立大の問題は、分野としては国公立医系単科大と同様「ヒトを中心とした遺伝や動物生理」からの出題が多く、知識問題が中心です。しかし、大学によって出題形式、難易度、分野が大きく異なるので、各大学の傾向を調べて対策をとる必要があります。
例えば、東京慈恵会医科大は「動物の反応」、「遺伝」、「遺伝情報とタンパク質」、「分類・進化」が頻出ですが、2011年度入試で「植物の反応」からの出題もあり、学習分野の偏りには注意すべきです。出題形式は記述・論述式で標準的な知識問題が中心となっていますが、動物の反応や分子遺伝に関しては、やや詳細な知識が問われることもあります。
日本医科大は「動物の反応」、「細胞」、「遺伝情報とタンパク質」が頻出ですが、「植物の反応」からの出題も2・3年に一度みられます。出題形式は記述・論述式で、知識問題と考察問題がほぼ同じ割合です。
また、順天堂大は「動物の反応」や「タンパク質」からの出題が多いですが「光合成」などの出題もみられ、全分野偏りなく学習しておく必要があります。
知識の確認と論述対策として、高校の教科書に太字で載っている重要項目を簡潔に説明する練習をしておきましょう。また、数多くの資料解析・実験考察問題の演習を繰り返して、考察力を養いましょう。
SAPIX YOZEMI GROUP「2011-2012 WINTER 医学部合格プロジェクト」より転載
次回は、『医学部生インストラクターによる、直前勉強法アドバイス』を掲載予定です。