化学
国公立大の場合
旧7帝大を中心とする難関国公立大では、2次試験の配点が5割〜8割で2次重視の傾向にあります。
2次重視といえども、センター試験で約9割の得点は必要といえます。2次では、有機化学は確実に得点し、さらに化学Ⅱの難問などをこなせる実戦力、応用力を養っておく必要があります。
地方の国公立大医学部は、センター試験の配点が5〜8割なので、まずセンターで8〜9割得点することが必須です。2次の化学は、比較的標準問題が多く、他学部よりも合格点が高くなるので、ミスなく確実に解ける力をつけておきましょう。
医系単科大(札幌医大・京都府立医大・奈良県立医大など)は注意が必要です。論述問題の多さも特徴で、十分な対策が必要です。また、高校の範囲外の内容を含んだり、一部の教科書で「発展」として記載されている内容が問われることも多くあります。いずれも高校の学習範囲内で解ける問題になっていますが、表面的な勉強だけでは対応できないと思われ、基礎理論の確実な理解と実戦力の養成が肝要です。
私立大・準大学の場合
私立大医学部の出題形式は、記述式、マーク式、記述・マーク併用の3つに分けられます。
全体的には、難易度が高い大学ほど記述重視の傾向が強いといえます。問題量がかなり多いので、時間不足にならないよう演習を重ねて、問題慣れしておく必要があります。
出題傾向は、国公立大と同じように有機化学、化学Ⅱ重視は変わりません。問題の難易度は、上位校ほど難しくなります。私立大では大学によって出題傾向が大きく異なるので、国公立大以上に過去問対策が大切です。
また、センター利用入試では9割以上が必要となりますから、私立大医学部志望者にとってもセンターは厳しい戦いです。
防衛医大については、記述式で問題内容は国公立大とほぼ同等です。偏差値的には東大・京大並みで20倍近い倍率からして、8割以上の得点が必要でしょう。
SAPIX YOZEMI GROUP「2011 spring医学部合格プロジェクト」より転載
次回は、『医学部入試問題 傾向と対策〈生物〉』を掲載予定です。