物理
国公立2次
ほとんどの国公立大医学部では、他の理系学部と共通の問題が出題されるので、多くの場合は難易度・内容ともに標準的です。したがって、求められる学力は「問題集やテキストに掲載されている標準問題を確実に解けること」になります。
もちろん「必要なら解法の途中経過やグラフ、理由説明も含めて確実に得点に結びつけられる解答が書ける」という意味においでです。ですから一般国立大レベルの医学部を目指す人は、「標準問題を完璧に解く」ことを目標にしてください。
一方、旧帝大レベルの問題は、おおむね一つの問題を解くために必要な知識が多くなりまた深い理解が求められます。問題文自体も長くなっています。
したがって、問題文を読みながら物理的な内容を順を追って処理・理解していかなければ、各小問で問われている問題点が何であるかが分からなくなってしまいます。問題を解く上で必要な知識量・理解度が多く、深くなってくるのです。
このような問題で合格点をとるためには、標準問題を何度も解いて問題と解答をよく吟味し、前提条件・関係する原理と法則・結果の関係を十分に納得・理解しておき、必要な時に使えるよう自分のものにしておかなければなりません。
このように、国公立大医学部合格のための物理の学力養成には、まず「各分野の標準頻出問題を確実に解く実力を蓄える」ことが必要であると言えます。
私立大
私立大医学部でも、やはり各分野とも標準問題が多く出題されていますが、出題・解答の形式は「一部途中経過記述式」「答のみ記述式」「マーク式」等、大学ごとにさまざまです。
また出題内容も、「原子物理」を出題範囲とする大学、「医療機器に関連する物理」をよく出題する大学、このような出題は一切無く「普通の物理問題」が出題される大学等、大学ごとの違いや特色がありますので、志望校の出題傾向を必ず見ておく必要があります。
どのような問題であれ、「物理の基本に従って考察する」という点が重要でそれが正しいのですが、慣れない問題にはいつもミスや不安が伴いがちです。そのような注意点把握のためには、早期からの過去問研究が有効です。
なお、防衛医大は問題数が3題で「途中経過記述式」です。大問1題あたりの小問数が多く、順を追って問題の設定内容がすべて問われるような形式になっています。「現象」の名称記述・理由説明・グラフ描図なども出題されます。一般の国公立大に比べ、やや細かい点まで問われる傾向があります。
SAPIX YOZEMI GROUP「2011 summer医学部合格プロジェクト」より転載
次回は、『2011年度 医学部入試問題分析〈化学〉』を掲載予定です。