Y-SAPIXランクとは
Y-SAPIX公開模試受験者データや本科生の合格実績をもとに独自に算出した、大学・学部ごとの難易ランク(偏差値)です。Y-SAPIX公開模試でこのランクに達することが「合格への指標」となります。
高1生 講評
2018年7月8日(日)に実施した「第1回 東大・京大模試[添削指導付き]」の講評・得点分布グラフです。
英語
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問【リスニング】
- PartBのディクテーションでは (1) (3) の出来があまりよくありませんでした。単純に流れてくる音に注意するだけでなく、語彙や文法の知識に基づいて判断できるとより正確な聞き取りにつながります。比較的点数が取れていた (2) に関しても、no matter whatを理解できていない答案が目立ちました。
- 第2問【読解 要旨要約】
- 文章の内容はある程度読めていても、過不足なく情報を盛り込めた答案は少数でした。今回の文章では、「観客が危機的な状況にあることを知っているか知らないか」「出来事が起こるまで緊張し続けるかその瞬間だけ驚くか」という対比がありましたが、本文に書かれている具体例をそのまま書くだけで一般化ができていない答案が多くありました。英文を読む際には、筆者が具体例を用いて何を言おうとしているのかを常に意識することが大切です。
- 第3問【読解 和訳】
- 全体的に文構造の把握に苦労したようです。 (2) では、known forの部分の過去分詞による名詞修飾やhow many people以下の感嘆文の処理を間違えた答案が目立ちました。節が複数存在する文では、各要素を文法的に正しくつなげられていなければ減点対象となるので注意しましょう。 (3) ではclean but wetの並列関係やhave it ready to be wornの内容理解に関するミスが目立ちました。また、generally、laundry、dryer、wornの訳出ミスも見られました。語彙力の増強に努めるとともに、修飾や接続の関係をしっかり把握できるよう、文法知識を定着させましょう。
- 第4問【読解 総合問題】
- 問1は直前に該当箇所があったため、全体的によい出来でした。ただ、引用箇所が合っているのに解釈を誤ったり説明が十分でなかったりするために減点されてしまった答案もありました。説明不足や論理の飛躍などがない的確な論述を目指しましょう。問2の和訳問題では、much of it to be seen nowの構造が正確に取れている答案はほとんどありませんでした。セミコロン以降の後半部分は、longerの比較級が訳出されていなかったりhave lastの訳が不自然になっていたりする答案が多かったです。和訳の際には、なんとなく単語をつなぎ合わせるのではなく、自然な日本語で意味のある文になっているかを確認しましょう。
- 第5問【英作文】
- PartAの整序英作文はどの問も正答率が低かったです。中でも (5) は、one of them is in Tokyoとしたものが7~8割ほどありました。文の接続について今一度確認してください。また、 (1) でdo you mind making my dinnerとしたものも多く見られました。文法的には間違っていませんが、前後の内容を考えるとおかしいことに気づくはずです。短い会話の応答ではありますが、文脈をしっかりと把握して答えるようにしましょう。PartBの英作文は書きやすく、高得点をとりやすい設問でした。ただ、語数稼ぎのためか複数の内容を羅列した答案も多々ありました。それだけでは減点はしていませんが、 (2) でそれぞれに対して回答していないものは減点としました。1つの事柄に絞って具体的に記述出来ている答案は少数でした。
数学
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問 実数の組
- 第1問はいくつかの与えられた条件を満たす四つの実数の組を決定する問題でした。答は2組あるのですが、考えられる二つの場合について一つの場合しか考えていなかったり、「実数」という条件を「整数」ととらえたりして1組しか答えていない答案が多かったです。なお、「この2組に限る」ことの説明も重要です。説明なしに正しい2組を挙げているだけの答案には、高い点数は与えられていません。
- 第2問 立体の計量
- 第2問は立体の計量の問題でしたが、立体の計量に入る前の三角形の外接円の半径を求める段階で苦戦していた人が多かったです。三角形の外接円の半径を求めるにあたって正しいが一般的に知られているとは言い難い公式を特に説明せずに用いている人が散見されました。自分が正しく解けていることを採点者に伝えることを意識してほしいと思います。
- 第3問 2次関数の最小値
- 第3問は係数に文字定数を含む2次関数の条件付き最小値について考える問題でした。グラフである放物線の形、具体的には上に凸か下に凸かと頂点の位置に着目して場合分けして考えることが基本です。 (3) で簡単な3次不等式を解くときにグラフを用いている人がいましたが、3次関数のグラフとして適切な処理がなされていないものは高い評価はされていません。
- 第4問 確率の問題
- 第4問は立方体を箱に詰め込む確率の問題でした。 (1) は「サイコロを振ってすべて同じ目が出る確率」と同じだと気づければ容易だったでしょう。 (2) と (3) はすべての場合の数の求め方が難しかったようです。ただし (3) については「解答のポイント」で説明したようにうまく考えると容易に求める確率を得ることができます。実際、そのように解いている人もいました。
国語
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問 現代文
- 第1問(現代文)は、森正人『展示される大和魂—〈国民精神〉の系譜』からの出題です。問1では設問の主述関係に沿った答案をつくるようにしましょう。問2では指示語「このような」が指す具体的な内容を指摘する答案が少なかったようです。問3では国境と国民という二つの要素にきちんと言及できている答案が少なかったようです。問4では国民という概念が想像されたものであり、国境によってその範囲が変動するという点を押さえる必要がありました。
- 第2問 現代文
- 第2問(現代文)は、尼ヶ﨑彬『いきと風流 日本人の生き方と生活の美学』からの出題です。問1では本文冒頭の具体例の説明が不十分で、解答として完結していない答案が多くみられました。問2では「やつし」という方法について「見えないところの美しさを示唆する」点に言及できていない答案が多数見られました。
- 第3問 古文
- 第3問(古文)は、鎌倉時代中期の擬古物語『小夜衣』からの出題です。問5では、和歌中の比喩表現を具体化して説明することが求められましたが、「雲居の空」が宮中を指すことに気づけていたものはごく少数でした。問6では「おぼし出づ」の尊敬の意味と、念押しの助詞「かし」の訳出抜けが多く見られました。問7では助動詞「ぬる」を完了ではなく、打消で訳出してしまったために、大きく文意を取り違えてしまっているものがありました。主語を追いながら文章を読解すること、助動詞や助詞の意味をしっかり覚えておくことを心がけてください。
高2生 講評
2018年7月8日(日)に実施した「第1回 東大・京大模試[添削指導付き]」の講評・得点分布グラフです。
英語
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問【リスニング】
- Part Bディクテーション (1) でwhereをwere、meantをmayと書いた誤答が目立ちました。単語の働きによる強弱や、母音・子音を正しく聞き取るには、自分でもネイティブスピーカーの発音を真似して発音するなど、日頃から音声学習を実践しましょう。
- 第2問【読解 要旨要約】
- ほとんどの人が盛り込むべき5つの要素の大半を書くことができていましたが、悩み解決のアドバイスが欠けていたり、具体例をアドバイスそのものと誤読したりしている答案が少なくありませんでした。本文で紹介されたアプリは実在しないことが最後で述べられていますので、では今どうすればよいのか、という部分をしっかり読み取りましょう。
- 第3問【読解 和訳】
- 全体的に語彙力を強化しておきましょう。 (1) apply to ~ や (2) allow O to V、independence、quality、 (3) elseなど、この時期にはぜひ身につけておくべき語彙がまだ身についていないと思われる答案が多々ありました。liberty「自由」を「図書館」、reader「読者」を「指導者」、conventions「慣習」を「会話」「便利さ」と書いた答案も、いくつもあったのには驚きました。単純な見間違えかもしれませんが、前後の流れから不自然であることがわかるはずです。また、熟語put forwardを直訳「前に置く」から一歩進んで「 (意見を) 出す、提示する」のように文脈から意味を推測する訓練も心がけておきましょう。
- 第4問【読解 総合問題】
- 段落や文同士の論理構造をつかむ力を、主に記号選択式の設問で測りました。問2、3、4、6の記号問題の出来が悪かった人は、もう一度、英文全体を読み直し、解答解説も熟読して、正答へ至るプロセスを学習しておきましょう。記述問題では、問1でso…that構文を読み取れていない答案が3~4割ありました。
- 第5問【文法・英作文】
- Part Bは2人の高校生の会話の空所を補う形式の自由英作文で、 (1) では若者が選挙に行くべき理由が問われました。直前にIt is important for usとあることから分かるように、weを主語にして書くはずのところを、theyを主語にしていた答案が1~2割あったのは、政治を他人事のように考えている人が多いのでしょうか。「総理大臣を直接、投票で選ぶことができるから」 (!) という答案も1割程度ありました。英語の模試であるため、内容に関しての減点は行っていませんが、大学入試では減点につながる可能性が高いので、社会的な事象に関するエッセイライティングが志望校で出題される人は気を付けましょう。
数学
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問 2変数の最小値
- 第1問は二つの変数を含む式の条件付き最小値を求める問題でした。与えられた式はどちらの変数についても2次なので、いずれか一方の変数を固定してもう一方の変数の2次関数として最小値を求め、さらに「最小値の最小値」を考えるとよいでしょう。最初にどちらの変数を固定するかで、手間にやや差があります。
- 第2問 整数の組
- 第2問は条件をみたす直角三角形の三辺の長さとなる整数三つの組を決定する問題でした。与えられた条件を数式化して候補を絞り込んで考えるとよいでしょう。答は3組ありますが、その3組に限ることの説明も重要です。説明なしに正しい3組を挙げているだけの答案には、高い点数は与えられていません。
- 第3問 図形の軌跡
- 第3問は座標平面上である図形的条件を満たす点の軌跡について考える問題です。軌跡が放物線であると見当をつけて、具体的な点を三つほど求めて方程式を決定している人がいましたが、放物線となることの正しい根拠が述べられない限り、高く評価されることはありません。
- 第4問 確率の問題
- 第4問はサイコロを6回振るときの確率の問題でした。条件を満たす場合の数を求めるときに煩雑な場合分けに迷い込んでいる答案が散見されました。あまりに手間がかかりそうなときは、いくつかの場合をまとめることや余事象を考えてより見通しよくできないかを検討するとよいでしょう。
国語
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問 現代文
- 第1問(現代文)は、河野哲也「排除なき世界への倫理」からの出題です。問1ではよく書けている答案が多く見られました。ただし、感情と認識力や判断力の関係の説明が曖昧になっているものも多かったようです。問2では傍線部直前「したがって」に注目して、挙がっていた事例「行為」と「意見」の両方に言及できているとよかったです。問3では「社会化」についての具体的な説明が不足している答案が多く見られました。問4では本文全体の論旨を踏まえて「非合理性」の説明が出来ている答案が少なかったです。傍線部近辺を見るだけでは不十分です。
- 第2問 現代文
- 第2問(現代文)は、串田孫一「墨を磨り手紙を認める心」からの出題です。問1・問2では本文で紹介された具体例の抜き書きで解答欄の大半を埋めている答案が多く見られました。解答する際は、読み返してわかりやすい説明になっているかどうか確認しましょう。
- 第3問 古文
- 第3問(古文)は、江戸時代の随筆文『橿園随筆』からの出題です。問2の現代語訳問題では、逐語訳を意識できていないものが多くありました。問3 (ⅰ) の「手」の意味を問う設問では、基礎的な知識であるにも関わらず「手紙」としているものが散見され、 (ⅲ) では2つの文字を比較評価していることに気づけているものはごく少数でした。問5の記述問題では、本文の大意は取れているものが多く見られました。ただし、「ことわる」「しらぶる」の意味を明らかにするという設問の条件指定をしっかりと守りましょう。