
2018年1月28日(日)に実施した「第2回 東大・京大模試[添削指導付き]」の高1生向け講評・得点分布グラフです。
2017年度の締めくくりとなる本模試の難易度は高く感じたのではないでしょうか。難問に苦戦された方も多く、解答に至らなかった方が見受けられましたが、成績表に記載された添削や解答解説集を参考に復習しましょう。また、正答した方も今後、類似問題にも対応できるように解答解説集を熟読しましょう。
今後の学習進捗をはかるため、2018年度も引き続きSAPIX YOZEMI GROUP模試を受験しましょう。
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英語の講評・得点分布グラフ
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問【リスニング】
- Part Bのディクテーションの得点率が芳しくありませんでした。日頃から音声学習をしましょう。文字を見ずに、フレーズやセンテンスを真似して発声する練習も効果的です。
- 第2問【読解 要旨要約】
- 問2でdiet「食習慣、規定食」を「ダイエット」と訳している解答が多くありました。カタカナ語と英語本来の意味がずれている語は多々ありますが、dietはその代表例です。また「栄養が豊富(high)」と「低カロリー(low)」で使われている、highとlowの対比がきちんと盛り込めていない答案も目立ちました。指定字数は、必要な要素を簡潔に盛り込んでいくとちょうどよい長さになるように設定されています。冗長な記述がないかどうか答案を読み返してみましょう。
- 第3問【読解 和訳】
- 問1で、hear(V) the way they talk to their children(O) repeated(C) の知覚構文を捉えられていない答案がほとんどでした。目的語が長いことが原因でしょうが、単純な例文で理解した原理を、構造が複雑化した文でも応用できるようにしたいところです。問2は「itの指示内容を具体的にして」という指示でしたが、「人の声を理解する機械が人の命令したことをしてくれる」など、まだ具体化の余地が残っている答案が半数近くありました。この種の問いでは、指示語の内容を最も端的に表現している箇所を見つける必要があります。
- 第4問【読解 総合問題】
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ここでも和訳問題の出来がよくありませんでした。Considering ~ が動名詞であり、かつ主語であることが分かっていない答案が大半でした。カンマの打ち方からthey sayが挿入句であることに気づきましょう。助動詞couldの訳し忘れも目立ちました。大きな組み立ての理解と、1つ1つの表現への意識を同時に持てるように練習しましょう。
- 第5問【語彙・英作文】
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Part Aの正誤判定の出来がよくなかった人は、しっかり文法を復習しておきましょう。今の時点で身につけておくことが望ましい基本事項ばかりです。たとえ知識としては知っていても、正誤問題で出されると気づきにくいものです。実践レベルで使えるように、基本例文を何度も書いたり、簡単な作文練習をしたりして、繰り返し練習しておきましょう。Part Bの英作文は、ある科目を取り上げ、その良い面、悪い面、またそれに対する反論を書くというものでした。概ねよく書けているものの、最後の (3) がうまく反論になっていない、という答案も見受けられました。また、 (2) (3) は「合計で25~35語」、つまり (2)+(3) で25~35語という条件設定です。どちらも25~35語で書いた答案は (3) で減点しました。問題文の指示をよく読みましょう。
数学の講評・得点分布グラフ
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問 確率の問題
- 第1問は3個のサイコロを振って出る目についての確率の問題でした。 (1) から (3) まですべて、積がある整数の倍数となる確率について問いました。比較的単純に把握できる (1) はよくできていました。複雑な (2) と (3) は苦戦した人が多かったようです。説明なしでいきなり計算している答案が目立ちました。立式の根拠を記すことを心がけましょう。
- 第2問 座標平面上の図形
- 第2問は座標平面上の図形について考える問題でした。与えられたtを用いて計算を進めてゆけばほぼ自動的に解決する問題です。よくできていました。tに具体的な数値を2つ代入して2直線の交点を求めている答案がありましたが、他のすべてのtの値について成立することを示さなければいけません。
- 第3問 有理数・無理数
- 第3問は与えられた数値が無理数であることを証明する問題でした。無理数の定義は「有理数でない実数」なので、背理法などで否定である条件「有理数である」ことの数式化を考えるとよいでしょう。この種類として典型的な問題で、よくできていました。文字設定として「整数」とするところを「実数」としている人がいましたが、それでは論証になりません。細かいと思うかもしれませんが、このような言葉の間違いには十分注意してほしいと思います。
- 第4問 最大値・最小値
- 第4問は放物線に関する最大値の問題でした。適当な置き換えにより2次関数の最大値の問題に帰着できます。今回の大問の中では、一番苦戦した人が多い問題でした。このような置き換えでより簡単な場合に帰着させる技術は高校数学でとても重要です。
国語の講評・得点分布グラフ
採点・添削した先生からのメッセージ
得点分布グラフ

- 第1問 現代文
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第1問(現代文)は宇野邦一『〈兆候〉の哲学―思想のモチーフ26―』からの出題です。問一は「『書く』行為が修正可能故に言葉の意味を問いうる」という因果への着目が難しかったようです。問二・三は、傍線部の場所が近かったため、それぞれどの範囲から解答を作成するべきか苦戦しているようでした。問四では論旨を踏まえるところが難しく、傍線部の説明として不十分な解答が目立ちました。
- 第2問 現代文
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第2問(現代文)は、『日本近代随筆選1 出会いの時』より高村光太郎「永遠の感覚」からの出題です。問一は文の述部にのみ傍線が引かれており、その理由を問うています。主部を確認した上で直接の理由を探し、それを軸として解答を作成していきましょう。問二では、本文の表現の抜き出しに終始し、説明の形をとれていない答案が見られました。解答は問いの趣旨に沿って作成するように心がけましょう。問三では、問一・二と比べて、解答の要素が多くなっていますが、それらを書き切れていない答案が見られました。要素を漏れなく書くには、設問の意味をよく理解し、本文の該当箇所を正しく把握することから始める必要があります。
- 第3問 古文
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第3問(古文)は、『更級日記』からの出題です。問二は助動詞「なり」の文法的意味を問うています。これを機に他の助動詞も確認しておきましょう。問七(1)は、敬語の種類を問う問題でしたが間違いが散見されます。文法事項を盤石にするところから古文の学習をはじめましょう。