〈講評〉2019年度 論理力評価テストSRT(中高一貫 中学生・高1・2生対象/2019年10月20日・27日実施)

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中1生 講評

2019年10月27日(日)に実施した「論理力評価テストSRT」の講評です。

SRT解釈

採点・添削した先生からのメッセージ

SRTの解釈探究は文章や対話文などの複数の資料を正確に読み取り、分析を加え、自分なりの意見を表現する力を試しています。日頃から書籍や新聞、ニュースなどに触れ、他の人と話し合ったり自分の意見を表現したりしている人には、解きやすい問題だったと思います。

第1問【複数資料からの読み取り問題】

大問1は異なる形式の資料から、正しく情報を読み取る力を試す問題です。

問1はグラフと新聞記事を比較して誤った箇所を指摘する問題ですが、正答率は高くありませんでした。問2は会話文中の空欄に適切な言葉を入れる問題で、前後の文脈を考慮する必要があります。脈絡のない解答は不適切です。問3は文の内容を図式化しているものを選ぶ問題で、見慣れない問題に苦戦した人が多かったようです。問4は反論を選ぶ問題でしたが、すべての選択肢を見比べて、最も適切なものを選ぶ必要があります。

第2問【読解と意見論述】

大問2は、学ぶ目的について述べた文章Ⅰと、学習動機を学問的に分類した文章Ⅱを組み合わせて出題しました。

問1は、下線部の「少しでも自由になるために学ぶ」ということを説明する問題でした。下線部の後の具体例を一般化して記述することが求められています。したがって、具体的な内容のみのものは不正解としました。

問2は接続詞を選ぶ問題です。空欄は4つありますが、よくできていました。

問3は文章Ⅰの最後の一文を考えて書く問題です。直前の具体例を踏まえてまとめる必要があります。そこでは「知識がなければ生きていけない」ということが述べられているため、両方の要素が読み取れる解答を満点としました。「知識が求められる」ことのみを指摘しているものなど、片方の要素しか読み取れない解答については減点しています。

問4は2つの文章を組み合わせて考える問題です。文章Ⅰでは知識がその効用と必然的に結びついている例が挙げられていましたが、それらを文章Ⅱの報酬志向と混同した解答が目立ちました。

問5は会話文中の空欄に当てはまる言葉を選ぶ問題です。空欄Yの方では見慣れない慣用句が出題されていたかもしれませんが、全体的にはよくできていました。

問6は新しい学習指導要領の評価の観点について自分の意見を書く問題でした。比較的よく書けていましたが、理由が個人的な感想に留まるものや、しゃべっている言葉をそのまま書いたという答案が目立ちました。意見文では思いつくままに書くのではなく、読み手が理解しやすいように内容を整理し、説得力のある客観的な理由を述べることが重要です。

SRT数理

第1問【小問集合】

あまり見かけないような問題を並べ、その場での問題の規則の理解力や対応力を測ることを目的としています。

問1は、「チェスのナイト」の動き方をする駒の移動に関する問題です。駒は単純なルールをもとにして動きますが、求める「最も遠いマス」と「そこに行くまでの最小の手数」の両方を正解できている人は少なかったです。

問2は、52枚のトランプを、赤と黒の2つにわけて、4人の人に赤から1枚ずつ、次に黒から1枚ずつを、規則「赤い絵柄のカードをもっている人には、黒い絵柄のカードを配る」に従って配ることに関する問題です。4人の人は配られた2枚のうち、1枚を公開しており、それをもとに規則どおり配られているか間違っているかを確認する必要がある人を答えます。公開されている1枚が「赤い絵柄のカード」ならもう1枚が「黒い絵柄のカード」であるかを確認する必要があることには多くの人が気づけていました。しかし、公開されている1枚が「黒い絵柄ではないカード」のときに、もう1枚が「赤い絵柄ではないカード」であるかを確認する必要があることに気づけていた人は少なかったです。もしもう1枚が「赤い絵柄のカード」ならば「黒い絵柄ではないカード」をもっていることは規則に反することになります。論理の基本なので、必ず身につけていくようにしてください。

問3は理科を題材として問題ですが、DNAなど難しい内容に惑わされなければ本数を数えるだけの問題だと気づけたと思います。DNAが「鎖」2本からなるため、DNAの「1本」と「鎖」の「1本」が異なることに注意して内容を読み解き、図を描くなどして数えられれば解答できたと思います。一見難解そうな文章でも尻込みせず、わかる範囲で情報を集めようとする姿勢が問われたのかもしれません。

第2問【時計の針の速度】

針の回転する速度をかえることができる時計について、太郎さんと花子さんの会話を読み、問いに答える問題です。

まず、問1では、針の速度を2倍にした場合を考えます。単純な比例の計算で、よくできていましたが、ここでまちがえている人も想定より多くいました。

問2では、5時間後と12時間後の時計の針の位置が与えられていて、それらから時計の針の速度が何倍になっているか、その最小値を考えます。2倍、3倍、…と小さいほうから具体的に考えていけば、その最小値を求めることは可能です。しかし、別解で示したように、式で処理することも可能で、これからはこちらがより重要になってきます。

問3は、問2の設定で考え、短針が指す時刻に合わせて時計の数字を書き換えていく問題です。引き続き、問4では、その時計の針の位置が与えられたときに時刻を求める問題です。全体的に比例の計算が中心で、数学的な内容としては難しくなかったと思われますが、今回の対話文のように長い文を読み慣れていない方が多かったのか、問題文を読み間違っている方が多く見受けられました。今回の問題を通じ、長い文章を読み、規則を理解することにも慣れていくようにしましょう。

第3問【理科的分野(化学)】

大問3は、水が蒸発するという現象をミクロの眼で説明した長い説明文を読み、その仕組みを正しく理解する能力、更にその仕組みを活用できる能力を測る問題でした。

問1は、グラフを読んでその意味をとらえる問題でした。高い正答率でした。

問2は、前の段落で説明した蒸発という現象を「分子の視点」から説明した文章を読み、それを要約できるかを問う問題でした。高い正答率でした。

問3は、問題の文章を理解していなくても、一般常識で正解できる問題でした。しかし、正しい選択肢を正確に写していない解答が多くあり、残念でした。

問4は、液体の水の近くに、気体の水が留まるとなぜ乾燥がすすまないのか、を問う問題でした。液体の水の表面近くにある気体の水が多くなると、気体の水から液体の水への変化量が大きくなる点がポイントでした。液体の水が気体の水へ変化することが「妨げられる」と表現した解答が多く見られたかったですが、この変化量は一定です。この設問が今回の説明文の理解を最も表していましたが、残念ながら正答率は高くありませんでした。

問5は、グラフを読む問題でした。グラフは目盛りの1/10まで読むことに気を付けましょう。高い正答率でした。

問6は、身の回りの温度範囲では液体にならない窒素の沸点が非常に低温であることを予想し、説明文を踏まえて引き付けあう力をの大小関係を考察する問題でした。

問7は、高圧⇒高い沸点⇒100℃を超えても液体⇒短い調理時間と、因果が連なっています。この中で、「100℃を超えて煮ることができる」点が解答の鍵でした。正答率は高くありませんでした。

この大問は、説明文で与えられた事象や身の回りの現象などを、因果関係で繋げていく能力を問うています。高得点を獲れた受験者は自信を持ってよいでしょう。残念ながら得点につながらなかった受験者は、普段の勉強の際から因果関係をより意識して学習をすれば、その学習効率は大きく上がるでしょう。

SRT英語

採点・添削した先生からのメッセージ

今回のSRT解釈探究【英語資料】では、日本語や英語で書かれた資料・対話文を読みこなして、必要な情報を過不足なく記述する力を測りました。英文を読み解くだけでは正しい答えを導き出すことはできず、日本語の部分も丁寧に読み取ることが求められるため、どのような答えを書けばよいのか戸惑った人もいたことでしょう。このようなタイプの問題に出くわす機会は多くないかもしれませんが、日頃から辞書を片手に少し難しい英文素材にも果敢にチャレンジしてみるのもよいでしょう。

第1問【案内文資料解釈】

英語の対話文と、日本語の資料を見比べながら解く問題です。おおむねよくできていました。

問1(1a)は、論理的に正解を導く必要がある問題で、誤答も目立ちました。この大問の指示文にヒントが書かれているため、隅々まで注意深く読んで、対話がいつ行われているのかを特定する必要があります。また、November「11月」を読み間違えている解答も少なくありませんでした。限られた時間で落ち着いて解くことも重要ですが、基本単語でうっかりミスをしないほど訓練を重ねることもまた重要です。

問2は、文脈に合わせて英作文をする問題です。第1問の中では最も難しい問題ですが、白紙答案が少なかったことは良い姿勢でした。模範解答はIs it open from nine?「9時から開いているのですか」としていますが、I want to go to the library at nine.「9時にその図書館に行きたいです」という類の誤答が目立ちました。それまでの会話の流れを読んでいると後者のような発言も考えられますが、その直後でNo, it isn’t.と答えているところから、今回はbe動詞を用いた文を作らなければならなりません。英作文では、決して「通じればよい」わけではなく、「文法的に正しいのかどうか」も重要なポイントになりますので、普段から文法学習に励みましょう。

問3では、エの誤答が目立ちました。途中までは正しくたどれていましたが、最後にrightとleftを読み違えてしまっているようです。道案内では必須となる単語ですので、発音・つづり・意味を正しく把握しましょう。

第2問【図表資料解釈】

日本語の対話文と、英語の資料を見比べながら解く問題です。記述箇所が多く、満点解答を取るのは難しかったかもしれません。

問1(2)では、英語の資料から読み取れる内容として、①「アメリカ>日本」という点と、それが「ネットの利用時間(頻度)」である点の2点を指摘する必要があります。日本とアメリカを比較していない答案や、平日と週末を比較している答案が散見されました。今回、太郎と父親は日本と海外のネットの利用状況の違いについて話し合っているわけですから、片方のみに言及していたり、日別の利用状況に言及したりすることは適切ではありません。また、「アメリカの方が長時間利用する人が多い」という解答も見られました。直後の父親の発言と重複するため、適切ではありません。日本語だからといって侮ることなく、丁寧に対話文を読んで、論理的に考えて記述しましょう。

問1(3)は、全体的に40.5%の箇所を正しく捉えられていることが伝わってきました。しかし、「週末に10時間以上インターネットを使うアメリカの高校生」といった、惜しい答案が多かったです。これでは、「(土日を合わせた)週末の合計時間」であると誤った情報として伝わってしまう可能性があります。資料にはin a dayとあるため、誤解を招かないように「1日あたり」という要素が必要となります。誰が読んでも納得させられる記述を目指しましょう。

問4(7a)は、meal「食事」を「メール」と誤って認識している答案が散見されました。eaは「イー」と発音し、mealは「ミール」と読みます。つづりと発音の関係を理解するとともに、普段から音声学習を取り入れることにより、語彙力の増強を目指しましょう。

問6は記号問題の中でも最も難度が高いものの1つで、正答率も低めでした。最後に配置されている問題なので時間が足りなかったことも理由に挙げられるかもしれませんが、複数の資料を見比べて計算しなければならないこともこの難しさの大きな要因です。さらに、その計算についても、最低2回は行わないと答えにたどり着くことができません。根拠を持って正答を選べた人は、今回の解釈探究においてはかなり良く理解できていると言えるでしょう。

中2生 講評

2019年10月27日(日)に実施した「論理力評価テストSRT」の講評です。

SRT解釈

採点・添削した先生からのメッセージ

SRTの解釈探究は文章や対話文などの複数の資料を正確に読み取り、分析を加え、自分なりの意見を表現する力を試しています。日頃から書籍や新聞、ニュースなどに触れ、他の人と話し合ったり自分の意見を表現したりしている人には、解きやすい問題だったと思います。

第1問【複数資料からの読み取り問題】

大問1は異なる形式の資料から、正しく情報を読み取る力を試す問題です。

問1はグラフと新聞記事を比較して誤った箇所を指摘する問題ですが、正答率は高くありませんでした。問2は会話文中の空欄に適切な言葉を入れる問題で、前後の文脈を考慮する必要があります。脈絡のない解答は不適切です。問3は文の内容を図式化しているものを選ぶ問題で、見慣れない問題に苦戦した人が多かったようです。問4は反論を選ぶ問題でしたが、すべての選択肢を見比べて、最も適切なものを選ぶ必要があります。

第2問【読解と意見論述】

大問2は、学ぶ目的について述べた文章Ⅰと、学習動機を学問的に分類した文章Ⅱを組み合わせて出題しました。

問1は、下線部の「少しでも自由になるために学ぶ」ということを説明する問題でした。下線部の後の具体例を一般化して記述することが求められています。したがって、具体的な内容のみのものは不正解としました。

問2は接続詞を選ぶ問題です。空欄は4つありますが、よくできていました。

問3は文章Ⅰの最後の一文を考えて書く問題です。直前の具体例を踏まえてまとめる必要があります。そこでは「知識がなければ生きていけない」ということが述べられているため、両方の要素が読み取れる解答を満点としました。「知識が求められる」ことのみを指摘しているものなど、片方の要素しか読み取れない解答については減点しています。

問4は2つの文章を組み合わせて考える問題です。文章Ⅰでは知識がその効用と必然的に結びついている例が挙げられていましたが、それらを文章Ⅱの報酬志向と混同した解答が目立ちました。

問5は会話文中の空欄に当てはまる言葉を選ぶ問題です。空欄Yの方では見慣れない慣用句が出題されていたかもしれませんが、全体的にはよくできていました。

問6は新しい学習指導要領の評価の観点について自分の意見を書く問題でした。比較的よく書けていましたが、理由が個人的な感想に留まるものや、しゃべっている言葉をそのまま書いたという答案が目立ちました。意見文では思いつくままに書くのではなく、読み手が理解しやすいように内容を整理し、説得力のある客観的な理由を述べることが重要です。

SRT数理

第1問【小問集合】

あまり見かけないような問題を並べ、その場での問題の規則の理解力や対応力を測ることを目的としています。

問1は、「チェスのナイト」の動き方をする駒の移動に関する問題です。駒は単純なルールをもとにして動きますが、求める「最も遠いマス」と「そこに行くまでの最小の手数」の両方を正解できている人は少なかったです。

問2は、52枚のトランプを、赤と黒の2つにわけて、4人の人に赤から1枚ずつ、次に黒から1枚ずつを、規則「赤い絵柄のカードをもっている人には、黒い絵柄のカードを配る」に従って配ることに関する問題です。4人の人は配られた2枚のうち、1枚を公開しており、それをもとに規則どおり配られているか間違っているかを確認する必要がある人を答えます。公開されている1枚が「赤い絵柄のカード」ならもう1枚が「黒い絵柄のカード」であるかを確認する必要があることには多くの人が気づけていました。しかし、公開されている1枚が「黒い絵柄ではないカード」のときに、もう1枚が「赤い絵柄ではないカード」であるかを確認する必要があることに気づけていた人は少なかったです。もしもう1枚が「赤い絵柄のカード」ならば「黒い絵柄ではないカード」をもっていることは規則に反することになります。論理の基本なので、必ず身につけていくようにしてください。

問3は理科を題材として問題ですが、DNAなど難しい内容に惑わされなければ本数を数えるだけの問題だと気づけたと思います。DNAが「鎖」2本からなるため、DNAの「1本」と「鎖」の「1本」が異なることに注意して内容を読み解き、図を描くなどして数えられれば解答できたと思います。一見難解そうな文章でも尻込みせず、わかる範囲で情報を集めようとする姿勢が問われたのかもしれません。

第2問【時計の針の速度】

針の回転する速度をかえることができる時計について、太郎さんと花子さんの会話を読み、問いに答える問題です。

まず、問1では、針の速度を2倍にした場合を考えます。単純な比例の計算で、よくできていましたが、ここでまちがえている人も想定より多くいました。

問2では、5時間後と12時間後の時計の針の位置が与えられていて、それらから時計の針の速度が何倍になっているか、その最小値を考えます。2倍、3倍、…と小さいほうから具体的に考えていけば、その最小値を求めることは可能です。しかし、別解で示したように、式で処理することも可能で、これからはこちらがより重要になってきます。

問3は、問2の設定で考え、短針が指す時刻に合わせて時計の数字を書き換えていく問題です。引き続き、問4では、その時計の針の位置が与えられたときに時刻を求める問題です。全体的に比例の計算が中心で、数学的な内容としては難しくなかったと思われますが、今回の対話文のように長い文を読み慣れていない方が多かったのか、問題文を読み間違っている方が多く見受けられました。今回の問題を通じ、長い文章を読み、規則を理解することにも慣れていくようにしましょう。

第3問【理科的分野(化学)】

大問3は、水が蒸発するという現象をミクロの眼で説明した長い説明文を読み、その仕組みを正しく理解する能力、更にその仕組みを活用できる能力を測る問題でした。

問1は、グラフを読んでその意味をとらえる問題でした。高い正答率でした。

問2は、前の段落で説明した蒸発という現象を「分子の視点」から説明した文章を読み、それを要約できるかを問う問題でした。高い正答率でした。

問3は、問題の文章を理解していなくても、一般常識で正解できる問題でした。しかし、正しい選択肢を正確に写していない解答が多くあり、残念でした。

問4は、液体の水の近くに、気体の水が留まるとなぜ乾燥がすすまないのか、を問う問題でした。液体の水の表面近くにある気体の水が多くなると、気体の水から液体の水への変化量が大きくなる点がポイントでした。液体の水が気体の水へ変化することが「妨げられる」と表現した解答が多く見られたかったですが、この変化量は一定です。この設問が今回の説明文の理解を最も表していましたが、残念ながら正答率は高くありませんでした。

問5は、グラフを読む問題でした。グラフは目盛りの1/10まで読むことに気を付けましょう。高い正答率でした。

問6は、身の回りの温度範囲では液体にならない窒素の沸点が非常に低温であることを予想し、説明文を踏まえて引き付けあう力をの大小関係を考察する問題でした。

問7は、高圧⇒高い沸点⇒100℃を超えても液体⇒短い調理時間と、因果が連なっています。この中で、「100℃を超えて煮ることができる」点が解答の鍵でした。正答率は高くありませんでした。

この大問は、説明文で与えられた事象や身の回りの現象などを、因果関係で繋げていく能力を問うています。高得点を獲れた受験者は自信を持ってよいでしょう。残念ながら得点につながらなかった受験者は、普段の勉強の際から因果関係をより意識して学習をすれば、その学習効率は大きく上がるでしょう。

SRT英語

採点・添削した先生からのメッセージ

SRTの解釈探究【英語資料】では、対話文の流れを読み取りながら、メールや地図、図表などの資料を分析し、その内容に即して適宜、日本語もしくは英語で自らの意見を表現する力を問うています。普段接する英語の試験とは違って、英語から日本語、日本語から英語の変換以外に、資料分析という一つ別のステップが入っているので戸惑った人もいたかもしれません。

第1問【手紙・案内文資料解釈】

大問1は外国人の先生から、英文メールを通して知りたい情報を聞き出し、その要望に応じた地域の地図を作成するという流れの問題でした。

問1は回答メールの情報から、質問メールの英文内容を予測するという逆の思考が必要な問題でした。どの資料を読み取れば解答が得られるかが理解できていない、もしくはHow do you like Japanese food?の意味をよく理解しないまま、選択肢ウを選んだものがありました。

問2は質問メールや文脈を踏まえて、回答メール中の動詞を正しく補う問題でした。基本語義と文脈類推力が問われました。

問3は「ひかり商店街」の情報を会話文から読み取って、英語で表現するという問題でした。どのような内容を書くべきかについては理解できていても、「ひかり商店街」ではなく「いろはモール」の説明をしてしまっている答案がいくつかありました。

問4は会話文を元に、地図中の情報について適切な英単語を補うという問題でした。補うべき単語が分かっていても、綴りが間違っている答案が散見されました。特にforeignは発音しないアルファベット(黙字)のgが抜けていたり、eiを正しく綴れなかったりという答案が多くありました。

問5は地図に追加するのに相応しい情報を選ぶ問題でしたが、その情報がどの資料に書かれているかを理解するには、資料全体をもれなく読み取っておく必要がありました。正答率はあまり高くなく、出題意図を理解せずに本文に記載されているという理由で選択肢を選んだ答案が多かったようです。

第2問【論説資料解釈】

大問2は「プラスチックゴミ削減の動きについて」の対話の中で出てくる資料(論説文)や図表を読解分析するという問題でしたが、それぞれの資料がどのような文脈で提示されているのかをしっかり読み取る必要がありました。

問1は「買い物先のお店でレジ袋が手に入らない時にどのような行動をとるか」について、自分自身の意見を英語で表現するという問題でした。ほとんどは出題意図を理解した答案でしたが、中には「そうなればプラスチックゴミが減る」などといったWhat will you do?の部分を無視した答案もありました。

問2は(1)(2)いずれも満点解答は多くありませんでした。基本的に下線部に関連する英文を探し出して和訳するという問題でしたが、(1)ではoilを「石油」ではなく文脈を踏まえずに「油」としていたり、(2)では原級表現ではなく比較級表現だと誤解してしまったりする答案が多く見られました。

問3は資料(論説文)に対する読解を問うた問題でした。「なんとなく」読み進めた結果、論旨を取り違えて正誤を誤ったと思われるのは(3)(4)の正答率に顕著に見られました。

問4は対話文の流れから該当英文を探し出し、指示に沿った日本語で表現するという問題でした。該当箇所を見つけることはできたようですが、payを訳出できず「レジ袋を廃止する、禁止する」としていた答案が非常に多く見受けられました。

問5は会話文と資料(論説文)を対照して、下線部に該当する情報を読み取る問題でした。該当箇所は見当がついたようですが、「あてはまらないもの」という但し書きを失念した為に、選択肢ウを選んだ答案が散見されました。

問6は資料(論説文)に記載されている数字情報を、英文を元にして表に整理するという問題でした。millionやbillionといった英語の数字表現を文脈から類推できずに誤答している答案がありました。

問7は対話文中にある「視点」から英文や表を読み取り、それを日本語で表現するという問題でしたが、正答と誤答ははっきり分かれる傾向が見られました。「レジ袋はプラスチックゴミの排出量の大部分を占める」のように情報を取り違えている答案や、「レジ袋を減らせばプラスチックゴミの量を減らせる」のように、原理的には正しいが文脈に即していない答案が見られました。

中3生 講評

2019年10月20日(日)に実施した「論理力評価テストSRT」の講評です。

SRT解釈

採点・添削した先生からのメッセージ

全体を通して、「設問の問うていることを正しく理解する力」、「文章やグラフの情報を丁寧に読み取る力」が身についているかが、みなさんそれぞれの点数に表れていると言ってよいでしょう。通常の国語の問題よりも、自分の頭の中で論理を組み立てなければならない問題が多いので、その際に設問の真意を取り違えていると目指すゴールが違ってしまいますし、資料から読み取った情報が誤っていると正しい解答を導き出せません。こういったことを十分に意識して問題に臨みましょう。

第1問【会話文・文章・グラフに基づいて分析・要約する問題】

問2の正答率の低さが目立ちました。なかでも、482÷15.9を計算し、「30十億ドル」を解答とする間違いが多くみられました。しかし、グラフの縦軸を見れば15.9の単位は「%」であり、そのままの数値を使ってはいけないことがわかります。グラフの情報を丁寧に読み取る力はこのような部分で必要となってきます。

また、問4も正答率の低い設問でした。この問題は、文章の内容と選択肢を照らし合わせる通常の国語の問題ではないため、どのように考えればよいのか困った人もいることでしょう。「反論として有効なもの」とは、「普遍的・客観的かつ正しい認識に基づいたもの」でなくてはなりません。この基準を頭に入れて解いてみて下さい。

問5の記述問題では、「プライム層とサブプライム層との間で格差が広がる」という旨を書けている解答は多くありました。しかし、60字という字数を考えるとこれだけでは不十分ということが分かります。ここでは、プライム層とサブプライム層がそれぞれどのような状況となり、格差が広がるのかを述べてもらいたいと思います。また、クレジットスコアに関してのみ言及している解答もありましたが、その結果として生活全体に大きな格差が生まれることまで言及しましょう。

第2問【複数の文章に基づいて論理的に考える問題・意見文】

大問2で正答率の低い設問は、問2と問3でした。問2は、今回のSRTのなかでは比較的国語に近いタイプの設問です。それぞれの選択肢にあたる内容が、本文中のどの箇所に出てくるかを確認することで正答を導けるはずです。「適切でないもの」という条件を見落としてしまった人は注意しましょう。

つづいて、問3では「『強く』あろう」の意味を、筆者が主張している「ほんとうの自立」という意味でとらえてしまっている解答が散見されました。ここで聞いているのは、「わたしたちの社会一般で考えられる自立」の内容です。傍線部直後をよく読み、論理構造を正しく把握しましょう。ここでも、文章から情報を丁寧に読み取る力は試されています。

最後の問5では、大問1の問4についても述べた「普遍的・客観的かつ正しい認識に基づいた根拠」をもとに、自分の主張を展開する必要があります。これができている解答は高得点を取れていました。一方で、自分の主観(「自分だったらこう思う」など)に基づいた主張は、説得力に欠けてしまいます。これが苦手だという人は、日常生活のなかで、自分の意見を通したいときやニュースについて家族と話すときなどに、自分以外の多くの人が納得できる普遍的・客観的な根拠を考えることを意識してみましょう。

SRT数理

第1問【小問集合】

問1は、各面に異なる絵柄が書かれた立方体をいくつか組み合わせ、ある面に書かれた絵柄を推理する問題です。(1)では3個、(2)では4個の立方体を組み合わせていますが、どちらも与えられた条件から、ルール「異なる絵柄の面は接触させることはできない」をもとに一つずつ考えていけば答えに到達できます。(2)の方がやや複雑な設定ですが、(1)が正解できれば(2)も正解できている場合が多く、問題の設定を理解できたかどうかがポイントだったようです。(以下問2、問3は理科)

第2問【影の面積】

透明の直方体の周りに黒いテープを張り、そこに光をあててできる影の面積を求める問題です。太郎さんと花子さんの対話文を読み、少しずつかわっていく設定を理解し、それをもとに面積を考える必要があります。前半は、図形がシンプルであり、問題文にヒントもありますが、全体的に出来はよくありませんでした。限られた試験時間の中で、長い対話文を読み、何が問題になっているのかを理解することに不慣れな印象を持ちました。問題さえ理解できれば、面積を求める図形自体は直線図形ですから、平行四辺形や直角三角形の組合せでできており、面積を求めることは難しくないと思います。解答解説集を参考にして、ぜひもう一度解き直してみてください。

問3では、問2で作った直方体を切断し、影がどう変化するか考えます。単純に面積が減ることはわかった人が多かったようですが、どれだけ減ったか正確に求めることも必要です。切断された部分を正確に把握することが問題となります。

最後の問4では、与えられた面積から図形の全体像を把握する問題です。側面の長方形の枚数が4で割り切れるか、4で割ったとき2余るかで状況がかわるので、仮説を立てそれぞれの場合を検証する必要があります。そして、枚数を把握した後、規則性に注意して正確に計算する力が求められます。

第3問【理科的分野(生物)】

大問3は、生物の現象を文章から理解し、その原因を探求する仮説と、検証する実験の設計を問う問題でした。

問1は、具体的な実験の結果を予想する問題でしたが、正答率は高く、「正」と「負」についてよく理解できていました。一方問2も同様に正負を解釈する問題でしたが、問1に比べると正答率はやや下がっていました。

問3は計算問題でした。そもそも比の計算が苦手な上、計算過程が長く、さらに文中には計算に必要のない数値もあったため、混乱した生徒が多かったようです。理科で使われる数学の力は、ほとんどが算数レベルの四則演算、そして文章題です。何と何を比べればよいか問題文から読み取り、式を立てられるようにしましょう。

問4・5は仮説の検証に必要な実験を設計し、結論から結果を予想する問題です。問4は自ら動かないようにして比重による浮き沈みを観察すればよいが、「生存を停止」までしてしまうと細胞自体を保てなくなるので、やりすぎになってしまいます。

問5は宇宙などの「無重力状態」で実験を行うという答案が多数ありました。もちろん注目する条件を無くすという観点からは正しいですが、他の条件についての言及がなければ不完全です。ただし、結果については「均等に分散」すると結論は導けてしまうので、結果の方は正解となります。

SRT英語

採点・添削した先生からのメッセージ

SRTの解釈探究【英語資料】は、「スマートフォンを学校へ持参すること」の是非に関する海外の記事およびエッセイと、日本の青少年のスマートフォンの利用状況に関する資料を用いて、英語と日本語の運用能力を問う問題を出題しました。英文を1文ずつ精読したり、構造に忠実に和訳したりするのではなく、素早く正確に内容をくみ取り、端的に日本語でまとめる能力を問いました。

第1問【資料解釈・グラフ読み取り】

大問1は、「スマートフォンを学校へ持参すること」に対する英文や資料を読み取れるかどうかを、記述問題や選択問題で問いました。

問1は、スマートフォンを学校へ持参することを禁止する法律がフランスで施行されたことについてのイギリスのニュース記事を、穴埋め形式で日本語に要約する問題です。日本語の文章中の空所を埋めていく形式ですので、前後とのつながりも意識しなければいけません。(1)では、要約としては必要なキーワードである「スマホ」「学校/授業中」「持参/利用」などは含まれているにもかかわらず、前の文とつながらない答案(「3歳から15歳の児童・生徒が[学校でのスマホの使用を]禁止する法律が施行される)」などのように、主語があるのに述語がない答案)が多くみられました。(4)は、本文中で言及されている“nomophobia”という単語の意味を答える問題ですが、本文中でその直後に書かれている内容がその説明になっていることに気づいていないような答案が多かったです。また、気づいていても、fear「恐れ」を[フェア]と読み、「公平・公正」と誤解した答案が多かったです。他の箇所でも、teaching activityやconcentrateの意味・訳語をうまく答えられず、不自然な解答になっているものが多くありました。英文には難しい単語も含まれていますが、そのような単語を含む文の内容でも、文脈をつかむことができれば、類推して読むことができます。

問2は、携帯電話の所有と学校のテストの点数の関係に関するアイルランドの新聞記事を読み、内容を理解できているかどうかを、選択問題の形式で問いました。正答率は高かったものの、「一致するものはA、一致しないものはBと答えなさい」という指示に従わずに、「〇、×」で答えている答案が少なくありませんでした。問題の指示をよく読み、従うようにしましょう。

問3は、学校でのスマートフォンの利用を禁止することに対する反対の立場のエッセイを読み、その内容を英語で要約する問題です。今回は実際に要約するのではなく、空所に英単語を選んで入れる形式にしました。文脈はもちろん、語法の知識も問いました。正答率はあまり高くありませんでした。

問4は日本の青少年のインターネット利用状況に関するグラフを正しく読み取れるかどうかを、選択問題形式で出題しました。「どちらともいえない」という選択肢も入れましたが、グラフ資料を読み取る際には、主観的な考えを捨てる必要があります。客観的に情報を読み取りましょう。

第2問【英作文】

大問2は、大問1の文章および資料をもとに書かれた英語のエッセイを読み、その続きを書くという英作文の問題です。その際、自分で書きたい内容を書いてはいけません。まずはこの文章の主張を見抜く必要があります。そのうえで、1段落目に対して矛盾しないような内容を、指定された語数(40~50語)でまとめます。大問1の文章をそのまま抜き出して書いている答案もありましたが、「全体の文脈がおかしくならないように」という指示に沿わないものは減点しました。また、言いたいことは伝わってくるものでも、正しい表現ではないので減点されている答案も多くあります。英語での表現力を身に着けていきましょう。単数複数のミスもなくしましょう。また、スペルミスも多くみられました。例えば、percentをpersentとつづっているものが目立ちました。percentのcentはcentimeterのcentiやcenturyのcentと同じで、ラテン語の「百」を意味する語(centum)に由来します。他の単語と関連させて覚えていくことで、忘れにくくなります。今後の学習の参考にしてください。

高1生 講評

2019年10月20日(日)に実施した「論理力評価テストSRT」の講評です。

SRT解釈

採点・添削した先生からのメッセージ

全体を通して、「設問の問うていることを正しく理解する力」、「文章やグラフの情報を丁寧に読み取る力」が身についているかが、みなさんそれぞれの点数に表れていると言ってよいでしょう。通常の国語の問題よりも、自分の頭の中で論理を組み立てなければならない問題が多いので、その際に設問の真意を取り違えていると目指すゴールが違ってしまいますし、資料から読み取った情報が誤っていると正しい解答を導き出せません。こういったことを十分に意識して問題に臨みましょう。

第1問【会話文・文章・グラフに基づいて分析・要約する問題】

問2の正答率の低さが目立ちました。なかでも、482÷15.9を計算し、「30十億ドル」を解答とする間違いが多くみられました。しかし、グラフの縦軸を見れば15.9の単位は「%」であり、そのままの数値を使ってはいけないことがわかります。グラフの情報を丁寧に読み取る力はこのような部分で必要となってきます。

また、問4も正答率の低い設問でした。この問題は、文章の内容と選択肢を照らし合わせる通常の国語の問題ではないため、どのように考えればよいのか困った人もいることでしょう。「反論として有効なもの」とは、「普遍的・客観的かつ正しい認識に基づいたもの」でなくてはなりません。この基準を頭に入れて解いてみて下さい。

問5の記述問題では、「プライム層とサブプライム層との間で格差が広がる」という旨を書けている解答は多くありました。しかし、60字という字数を考えるとこれだけでは不十分ということが分かります。ここでは、プライム層とサブプライム層がそれぞれどのような状況となり、格差が広がるのかを述べてもらいたいと思います。また、クレジットスコアに関してのみ言及している解答もありましたが、その結果として生活全体に大きな格差が生まれることまで言及しましょう。

第2問【複数の文章に基づいて論理的に考える問題・意見文】

大問2で正答率の低い設問は、問2と問3でした。問2は、今回のSRTのなかでは比較的国語に近いタイプの設問です。それぞれの選択肢にあたる内容が、本文中のどの箇所に出てくるかを確認することで正答を導けるはずです。「適切でないもの」という条件を見落としてしまった人は注意しましょう。

つづいて、問3では「『強く』あろう」の意味を、筆者が主張している「ほんとうの自立」という意味でとらえてしまっている解答が散見されました。ここで聞いているのは、「わたしたちの社会一般で考えられる自立」の内容です。傍線部直後をよく読み、論理構造を正しく把握しましょう。ここでも、文章から情報を丁寧に読み取る力は試されています。

最後の問5では、大問1の問4についても述べた「普遍的・客観的かつ正しい認識に基づいた根拠」をもとに、自分の主張を展開する必要があります。これができている解答は高得点を取れていました。一方で、自分の主観(「自分だったらこう思う」など)に基づいた主張は、説得力に欠けてしまいます。これが苦手だという人は、日常生活のなかで、自分の意見を通したいときやニュースについて家族と話すときなどに、自分以外の多くの人が納得できる普遍的・客観的な根拠を考えることを意識してみましょう。

SRT数理

第1問【小問集合】

問1は、各面に異なる絵柄が書かれた立方体をいくつか組み合わせ、ある面に書かれた絵柄を推理する問題です。(1)では3個、(2)では4個の立方体を組み合わせていますが、どちらも与えられた条件から、ルール「異なる絵柄の面は接触させることはできない」をもとに一つずつ考えていけば答えに到達できます。(2)の方がやや複雑な設定ですが、(1)が正解できれば(2)も正解できている場合が多く、問題の設定を理解できたかどうかがポイントだったようです。(以下問2、問3は理科)

第2問【影の面積】

透明の直方体の周りに黒いテープを張り、そこに光をあててできる影の面積を求める問題です。太郎さんと花子さんの対話文を読み、少しずつかわっていく設定を理解し、それをもとに面積を考える必要があります。前半は、図形がシンプルであり、問題文にヒントもありますが、全体的に出来はよくありませんでした。限られた試験時間の中で、長い対話文を読み、何が問題になっているのかを理解することに不慣れな印象を持ちました。問題さえ理解できれば、面積を求める図形自体は直線図形ですから、平行四辺形や直角三角形の組合せでできており、面積を求めることは難しくないと思います。解答解説集を参考にして、ぜひもう一度解き直してみてください。

問3では、問2で作った直方体を切断し、影がどう変化するか考えます。単純に面積が減ることはわかった人が多かったようですが、どれだけ減ったか正確に求めることも必要です。切断された部分を正確に把握することが問題となります。

最後の問4では、与えられた面積から図形の全体像を把握する問題です。側面の長方形の枚数が4で割り切れるか、4で割ったとき2余るかで状況がかわるので、仮説を立てそれぞれの場合を検証する必要があります。そして、枚数を把握した後、規則性に注意して正確に計算する力が求められます。

第3問【理科的分野(生物)】

大問3は、生物の現象を文章から理解し、その原因を探求する仮説と、検証する実験の設計を問う問題でした。

問1は、具体的な実験の結果を予想する問題でしたが、正答率は高く、「正」と「負」についてよく理解できていました。一方問2も同様に正負を解釈する問題でしたが、問1に比べると正答率はやや下がっていました。

問3は計算問題でした。そもそも比の計算が苦手な上、計算過程が長く、さらに文中には計算に必要のない数値もあったため、混乱した生徒が多かったようです。理科で使われる数学の力は、ほとんどが算数レベルの四則演算、そして文章題です。何と何を比べればよいか問題文から読み取り、式を立てられるようにしましょう。

問4・5は仮説の検証に必要な実験を設計し、結論から結果を予想する問題です。問4は自ら動かないようにして比重による浮き沈みを観察すればよいが、「生存を停止」までしてしまうと細胞自体を保てなくなるので、やりすぎになってしまいます。

問5は宇宙などの「無重力状態」で実験を行うという答案が多数ありました。もちろん注目する条件を無くすという観点からは正しいですが、他の条件についての言及がなければ不完全です。ただし、結果については「均等に分散」すると結論は導けてしまうので、結果の方は正解となります。

SRT英語

採点・添削した先生からのメッセージ

SRTの解釈探究【英語資料】は、「スマートフォンを学校へ持参すること」の是非に関する海外の記事およびエッセイと、日本の青少年のスマートフォンの利用状況に関する資料を用いて、英語と日本語の運用能力を問う問題を出題しました。英文を1文ずつ精読したり、構造に忠実に和訳したりするのではなく、素早く正確に内容をくみ取り、端的に日本語でまとめる能力を問いました。

第1問【資料解釈・グラフ読み取り】

大問1は、「スマートフォンを学校へ持参すること」に対する英文や資料を読み取れるかどうかを、記述問題や選択問題で問いました。

問1は、スマートフォンを学校へ持参することを禁止する法律がフランスで施行されたことについてのイギリスのニュース記事を、穴埋め形式で日本語に要約する問題です。日本語の文章中の空所を埋めていく形式ですので、前後とのつながりも意識しなければいけません。(1)では、要約としては必要なキーワードである「スマホ」「学校/授業中」「持参/利用」などは含まれているにもかかわらず、前の文とつながらない答案(「3歳から15歳の児童・生徒が[学校でのスマホの使用を]禁止する法律が施行される)」などのように、主語があるのに述語がない答案)が多くみられました。(4)は、本文中で言及されている“nomophobia”という単語の意味を答える問題ですが、本文中でその直後に書かれている内容がその説明になっていることに気づいていないような答案が多かったです。また、気づいていても、fear「恐れ」を[フェア]と読み、「公平・公正」と誤解した答案が多かったです。他の箇所でも、teaching activityやconcentrateの意味・訳語をうまく答えられず、不自然な解答になっているものが多くありました。英文には難しい単語も含まれていますが、そのような単語を含む文の内容でも、文脈をつかむことができれば、類推して読むことができます。

問2は、携帯電話の所有と学校のテストの点数の関係に関するアイルランドの新聞記事を読み、内容を理解できているかどうかを、選択問題の形式で問いました。正答率は高かったものの、「一致するものはA、一致しないものはBと答えなさい」という指示に従わずに、「〇、×」で答えている答案が少なくありませんでした。問題の指示をよく読み、従うようにしましょう。

問3は、学校でのスマートフォンの利用を禁止することに対する反対の立場のエッセイを読み、その内容を英語で要約する問題です。今回は実際に要約するのではなく、空所に英単語を選んで入れる形式にしました。文脈はもちろん、語法の知識も問いました。正答率はあまり高くありませんでした。

問4は日本の青少年のインターネット利用状況に関するグラフを正しく読み取れるかどうかを、選択問題形式で出題しました。「どちらともいえない」という選択肢も入れましたが、グラフ資料を読み取る際には、主観的な考えを捨てる必要があります。客観的に情報を読み取りましょう。

第2問【英作文】

大問2は、大問1の文章および資料をもとに書かれた英語のエッセイを読み、その続きを書くという英作文の問題です。その際、自分で書きたい内容を書いてはいけません。まずはこの文章の主張を見抜く必要があります。そのうえで、1段落目に対して矛盾しないような内容を、指定された語数(40~50語)でまとめます。大問1の文章をそのまま抜き出して書いている答案もありましたが、「全体の文脈がおかしくならないように」という指示に沿わないものは減点しました。また、言いたいことは伝わってくるものでも、正しい表現ではないので減点されている答案も多くあります。英語での表現力を身に着けていきましょう。単数複数のミスもなくしましょう。また、スペルミスも多くみられました。例えば、percentをpersentとつづっているものが目立ちました。percentのcentはcentimeterのcentiやcenturyのcentと同じで、ラテン語の「百」を意味する語(centum)に由来します。他の単語と関連させて覚えていくことで、忘れにくくなります。今後の学習の参考にしてください。

高2生 講評

2019年10月20日(日)に実施した「論理力評価テストSRT」の講評です。

SRT解釈

採点・添削した先生からのメッセージ

SRTの解釈探究は文章や対話文などの複数の資料を正確に読み取り、分析を加え、自分なりの意見を表現する力を試しています。日頃から書籍や新聞、ニュースなどに触れ、他の人と話し合ったり自分の意見を表現したりしている人には、解きやすい問題だったと思います。

第1問【論理について述べられた文章】

問1と問2は具体例を適切に説明している選択肢を選ぶ問題でした。不適切な選択肢に惑わされないために、選択肢と本文を比較対照してください。

問3は条件に当てはまる具体的なルール、その改正理由と改善案を考える問題です。適切なルールを書けている解答は多かったですが、完答できている答案は少なかったです。主語と述語のつながりがおかしくなっている文章や、「~ので」という理由を表す表現が用いられていない文章は減点しました。

問4は2つの空欄部に当てはまる語句をそれぞれ選択する問題でした。本文の接続詞をヒントにしてください。両者が対となっていることを見出せます。

第2問【報道文と評論文からなる複数テクスト問題】

問1は2つの文章の違いを考える問題です。国の法律と州の法律の違いを正しく指摘できていても、州の名前を「スコット州」と書いている誤答がかなりありました。「スコット州知事」という表現から誤解したのでしょうか。報道文に慣れていれば起きない誤解ですが、そうでなくとも、フロリダ州で発生した事件だということや「米フロリ

問2は下線部の「同じようなこと」が指す内容を説明する問題で、よくできていました。「社会的腐敗が増加する」ということしか書かれていない答案は説明が不十分なため減点しました。

問3と問4は、いずれも会話文をもとに本文の該当箇所を推定する作業が必要になります。こちらの問題も接続詞をヒントにしてください。問3は、本文の該当箇所は推定できていたようですので、正しく見える選択肢に飛びつくのではなく、各選択肢を検討するようにしましょう。問4(1)は該当箇所の推定が難しかったようです。「正統性」が聞き慣れない言葉だったためでしょうか。問4(2)は「正統性」を具体的に考える問題でした。本文に基づいて検討するようにしましょう。

問5はアメリカ社会における銃規制の賛否について論じる問題です。意見については書けている答案が大半でしたが、賛否が不明確だったり、銃規制以外の主題について書いていたりするために不可となった答案はいくつかありました。理由までは書けている答案が多かったですが、想定される批判に反論することができている答案は少なかったです。理由を提示する際には「なぜなら~だからだ」、想定される批判に反論する際には「たしかに~だが、しかし…」などの表現を使って、読み手に伝わる文章を書くように心がけましょう。

第3問【歴史的分野】

大問1ならびに大問2は、社会科的思考力の基礎となる歴史的教養を確認する問題です。いずれもごくごく基本的な知識を問う問題でしたが、問1空欄アでは富山県、空欄イでは奈良県、空欄ウでは鳥取県などといった誤答が目立ちました。歴史を考察するうえでは、地理的知識も重要です。中学校の社会科で改めて確認してほしいところです。一方の問2でも、空欄オで綿や茶といった、時代や物流の動きに関する誤りが見られました。

歴史を学ぶということは、先人が明らかにしてきたことを踏まえて、新たな視点や考察を加えることが基本となります。そのため、歴史的思考力とは、知識を持っていることが議論の大前提となります。「ものを知る」こともおろそかにしないようにしましょう。

問3は16世紀から17世紀の中国への銀の流入量に関するグラフの読み取り問題を出題しました。「すべて選ぶ」という条件がやや難易度を挙げることになりました。②を正文として選択できた受験生が多かったものの、誤文である①を正文と選んだ誤りが目立ちました。棒グラフの表す量が「5年間合計」であることを見落としたものと考えられます。グラフの数値がどのような指標を表すのか、慎重に見極めましょう。

問4は歴史的知識とともに、歴史的事象が現代にどのように残っているのかを確認する問題です。「一つ選べ」という条件でしたが、複数の番号を選んでいるために誤答となってしまったケースが目につきました。このような誤答の中には①、③を選んだものも多く、いずれか一方を選んでいれば正答となっていました。問題の要求を正確に読み取れるよう、注意することが大切です。

第4問【地理的分野】

自然環境のうち、気象と災害について出題しました。

問1は、地形図から自然災害の様子を予測する問題です。普段から地図に親しんでおかなければ、河川の流路の方向を判断することも難しかったと思います。そして川の流路が土砂でふさがれた場合、上流と下流のどちらに影響が大きいか判断するのは、想像力も必要です。

問2は津波災害についての問題でした。(1)は②の誤答が目立ちました。津波は地震が原因で発生しますが、津波が発生すると周辺の影響を受けてエネルギーが変化することに気が付かなかった者が多かったようです。(2)は③の誤答が目立ちました。大きな津波ですと、海岸付近の河川の下流部をさかのぼってくることがあります。(3)につきましては、「防波堤」または「防潮堤」が書けていることが最大のポイントでした。「堤」を「提」と書いた答案が非常に多く、その部分には得点を与えませんでした。ほかには防波堤または防潮堤の役割や、その位置について書けているかを得点の対象としました。

問3は異常気象をもたらすエルニーニョ現象についての問題でした。(1)(2)(3)は問題文と図を見て低気圧と高気圧の位置関係や、それが気象にどのような影響を与えるかを考える空欄補充問題でしたが、(1)を間違えると(2)(3)と立て続けに失点してしまう答案が目立ちました。(4)はエルニーニョ現象によって日本が冷夏となることを説明できるかが問われました。解答にあたり、3つの指定語句に下線を1カ所でも引いてない答案は内容が正しくとも減点としました。

第5問【複数資料を用いた読解】

公民分野について、国政選挙について出題しました。問1以外の設問は正答が多いか、もしくは部分点を獲得している解答が多かったです。特に問4は満点の解答も多く、受検生の多くが、設問の要求を理解し、資料や会話文から必要な情報を取捨選択し、端的に記述できていました。

しかし、その一方で、問1の正答率は約49%と低く残念でした。高校2年生段階までに、衆議院・参議院それぞれの任期と選挙方法は学習していますし、本テストの実施の前にも参議院通常選挙が実施されたばかりでした。既習の内容が理解できていれば解答は容易な、ある意味「一般常識」ともいえる問題です。誤答の中には、「衆議院の任期は3年である」、「比例代表制は衆議院のみ」というものが目立ち、既習事項(「一般常識」)が理解できていないか、忘れてしまっているのかと想像されるような解答が目立ちました。

一方で、問1と同じ知識を要する問2では正答率が約44%でした。こちらは「消費税の逆進性」を説明する問題で、中学校で学習する知識ですが、やや細かい知識である点、字数制限がある点を考慮すると問1と比べて難しいと思われます。その差を考慮しても、問1の正答率との差がありません。問1と問2で解答用紙を比較しましたが、問1が誤答でも、問2で正答もしくは部分点をとっている解答用紙が多数ありました。単に知識不足であるならば、問1問2ともに誤答の解答が多くなるかもしれませんが、そのような傾向は見受けられませんでした。

公民科目の授業で学習した内容と実社会とが結び付いていないのでは、理解したことにはなりません。前述の問1の誤答例を挙げれば、直近の参議院通常選挙で、「著名人が多く立候補したのはなぜか?」、そもそも「解散があるのは衆・参どちらの議院か?」といった問いをきちんと立てることで、理解が深まるはずです。

SRT数理

第1問【格子点と等脚台形】

正方形の格子にいくつか点が打ってあり、そのうち4つを選び等脚台形をつくることを考える問題です。

問1は空欄補充問題ですが、最初の空欄がやや難しいことからか、全体的に出来がよくありませんでした。すべての問題に目を通し、解ける問題がないか考える姿勢は大切です。

問2は、2の倍数に関する性質の証明を記述する問題です。シンプルな問題と考えていましたが、まずまずの出来でした。また、正解している答案の中にも、長々と同じようなことを書き整理されていないものが見受けられました。解答解説集を参考にして、簡潔な証明を書く練習を行ってください。

問3は、問1の続きであり、全体的に出来はよくありませんでした。問4は、格子点から4つの点を選び、等脚台形を図示する問題です。問3で計算した長さの等脚台形を発見できるかが問題ですが、問3の出来が影響し、こちらも出来がよくありませんでした。

第2問【帽子の色当てゲームの確率】

4人の人が赤か白の帽子を無作為に選んでかぶり、その色を自分で当てるゲームについての問題です。太郎さんと花子さんの対話文を読み、2人の戦略をもとに成功する確率を計算していきます。

問1は、考えられる場合の確率をそれぞれ計算していきます。普通の確率の問題ですが、出来はあまりよくありませんでした。そもそも確率を苦手とする人が多くいるようですが、今回の問題のように実生活にも応用できる大変興味深い分野です。苦手意識を持たずに、しっかりと勉強してください。

問2、問3は、2人の戦略の根拠となる分析を考える問題ですが、これらの問題はしっかりと正解できている人が多くいました。

問4では、問2、問3の分析をもとに、戦略を具体的に記述する問題です。引き続き、この問題も出来がよく、多くの人が対話文の内容をしっかりと理解できていたようです。

問5は、問4の戦略によるゲームに成功する確率を計算する問題ですが、こちらの出来はよくありませんでした。状況はつかめているのにも関わらず、確率の計算でまちがってしまっていては、大変もったいないので、繰り返しになりますが苦手意識を持たず確率の勉強をもう一度行ってください。

第3問【科学的分野】

大問3は、長い説明文を読んで見慣れない法則を正しく理解し、計算や考察に用いることが出来るかを問う設問でした。

問1は、化学基礎の知識を問う問題でした。全体的に正答率は高めでしたが、空欄cを「電子」とする解答が多くみられました。この問題は基本的な知識で解けるので、分からなかった方は教科書で結合の種類について復習しておきましょう。

問2は、物質の状態ごとの熱の伝わりやすさについて記述する問題でした。全体的によく書けていましたが、固体と気体についてのみ言及しているなど必要な内容がきちんと盛り込まれていない解答が多くみられました。

問3の①は代入して計算するだけなのですが、式の意味が正しく理解できず、解答できなかった方が多かったようです。また、有効数字ミスで減点されている方が多く、もったいないという印象を受けました。数値を答える問題では必ず最後に有効数字を確認しましょう。②まで正しく計算できた方は自信を持って良いでしょう。

問4の記述は実験誤差について述べた解答が非常に多くみられましたが、仮定して得られた計算結果が実験結果と合わなかったのですから、「仮定の部分に誤りがあるのではないか?」と思えたかどうかがポイントでした。あとは式の意味さえ正しく理解できていれば難しい内容ではありませんが、正答率は低めでした。

問5の(1)はちゃんとした計算はできずとも、日常生活に当てはめて考えれば、断熱性の高い素材では内部と外部の温度差が大きくなるという経験則から分かります。このように、日常生活や常識に当てはめて考えてみるというのも理科の問題では重要です。(2)の計算までできた方はほとんどいませんでした。時間をかけてもう一度考えてみましょう。

第4問【物理的分野】

問1~問3は相対速度、速度と変位の関係などの「物理基礎」(力学分野)の知識をもとに、2次元の運動を問う設問でした。また、問4は問1~問3を参考にしつつ、自由な発想力で運動を考察する設問でした。

今回は問1の正解率が1割程度と予想以上に悪く、ほとんどの受験者はまだ「物理基礎」の基本的な知識の理解が不十分でした。そのため、問2・問3の正解率も低いものでした。

問1アは川の流速のベクトルを分解しますが、cosθ< 0となることを見落とした答案もありました。イは川の速度、舟の速度、川に対する舟の相対速度の関係を考える設問です。ウは速度ベクトルの関係図の対称性に注目して考えます。

問2は、舟の速度の2つの向きの成分が常に等しければ、一定時間での2つの向きへの移動距離も等しいことに注目します。また、この結果を舟が点Qに到達した状況に当てはめれば問3の結果が求められます。

問4では考察の跡が見られた答案もありましたが、残念ながら与えられた状況や物理法則の理解が不十分なまま考察を進めた答案がほとんどでした。惜しい答案としては、舟の移動とともにθが変化することを考えに入れず、ある瞬間に舟が川をさかのぼる条件を考えたものがみられました。

本問の主な出題意図は思考力・表現力を問うことでしたが、物理においては土台となる知識が疎かなままでは思考力・表現力を十分に活用することはできません。問1に苦戦した受験者は、高校物理の学習法を根本的に身につけ、まずは基礎知識の修得を心がけてください。

第5問【生物的分野】

大問5は、生物の現象を文章から理解し、その原因を探求する実験の設計を問う問題でした。

問1は知識問題ですが、理科において、知識は思考する上でも必要なものであり、知識を収集して見識を広げることは、理科的な思考力の向上に直結します。教科書を出発点に、図録などで自分から調べ、主体的に学んでいってほしいです。

問2は計算問題でした。(1)(2)では文中の情報を取捨選択する必要があります。(3)はモル濃度の計算なので、化学とも関連します。いずれも単純な濃度計算なのですが、苦手とする生徒が多いので、よく練習しておきましょう。

問3は「血管」収縮という答案が多く見られました。「秒単位の変動」から「心拍」という一般常識的な知識を思い出せるかがポイントですが、後の問題で血管に関する問があったため、文章の中の情報だけで解答しようとした結果だと思われます。ここでも、知識が考察に欠かせないことがわかると思います。

問4は、知識でも文章読解でも解ける問題です。よくできていました。

問5は仮説の検証に必要な実験を設計し、結論から結果を予想する問題です。まずアセチルコリンとノルアドレナリンの取り違えた生徒がいました。また、実験では用意していない神経を使ってしまっている実験もありました。この問題全体のテーマが「細胞が物質を分泌して情報伝達を行う」ということなので、そこに注目できれば解答できたと思います。特に仮説2について、アセチルコリンと内皮細胞と平滑筋が同時にある場合、アセチルコリンと内皮細胞が「同時に作用」する可能性があり、必ずしもアセチルコリンが「間接的に作用」しているとは言い切れません。そのため、内皮細胞に物質を分泌させ、細胞自体は取り除くという操作が必要になります。

SRT英語

採点・添削した先生からのメッセージ

文章や会話文、資料をもとに答える、という点ではもう一方の「解釈探究」と共通していますが、最大のポイントは〈英文を読み、書く〉という要素が加わったことです。つまり、英文を正確に読めなければ答えられないという点で、ハードルが1つ上がりました。45分という短時間で、一定量の英文を読みこなし、エッセイライティングをまとめるには、日頃からの地道な訓練が必要です。変わりつつある受験を前に、英語を正しく読み、正しく書く、という基本的な力をできるだけ早く身につけておきましょう。

第1問【英作文】

「フードマイレージ」に関してあるクラスで行われた日本語による会話と、そのクラスで紹介された英文記事を読み、それをもとにまとめた英文エッセイの空所を埋めるという設定の英作文問題でした。設問条件「解答はすべて日本語の会話文と英文記事の内容に基づくこと。ただし、英文記事の英語表現をそのまま写してはならない」をふまえると、これは皆さんの個人的な意見を自由に書くのではなく、そのクラスにいた生徒が会話と英文記事をもとにまとめたエッセイであること、つまり、皆さんが読解した内容を〈要約する〉問題であることが分かります。しかも、すばやく読み取った内容を、自分なりの表現に置き換えて書く必要があります。

まず(1)は、フードマイレージを計算するための1要素として「食料の輸送距離」を挙げる問題でした。ここは指定語数も短く、日本語会話文でも説明されている内容なので、ぜひ得点したいところです。ただ、書くべきことは把握できても、本文をそのまま抜き出すだけの答案が見られました。自分なりの言葉で言い換えようとしても指定語数に届かず0点になった答案もありました。利用できそうな箇所を英文記事に見つけたら(例えばthe distance it travels from farm to plate)、そのまま書き写すのではなく、farmやplateが言わんとするところを説明的に言い換えることで指定語数には達するでしょう。また、how far〈距離〉とすべきところをhow long〈時間〉とする答案も散見されました。全体として白紙答案が半分弱あり、(1)は得点しやすい設問だっただけに残念です。

(2)はフードマイレージのmerit〈良い点〉を2つ挙げる問題でした。使える(写せる?)英文はないか、と英文記事の方のみを探し続けた人はいませんでしたか。1つめのmeritは日本語会話文をもとに「環境問題について考えられるようになる」という趣旨の記述を自分で英作文し、もう1つのmeritを英文記事から挙げるとバランス良くまとまります。ただし、英文記事の方はdemerit〈良くない点〉を中心に書かれているため、記事の最終段落で指摘されている「地元経済の活性化」まで正しく論理を追っていけたかが問われています。前半の段落の趣旨を把握できなかった人は、フードマイレージの問題点をmeritと誤読して記事の第3~5段落あたりから引用していました。例えば第3段落のFor American diets…で始まる文は「アメリカでは、輸送時の二酸化炭素排出量は生産時に比べれば(意外に)少ない」という指摘ですし、the most effective way…の文は「地元産の食品を買うのが良いことではない」という、フードマイレージの趣旨とは正反対の指摘です。第4段落のthe raw mileage is hardly useful…に至っては「フードマイレージの生データは、ほとんど役に立たない」という否定の文です。こうしたdemeritを挙げた答案(大半は引き写しただけ)は「論理」がそもそも成立していないため0点にしました。無回答、語数大幅不足の答案と合わせると、半数を占めています。

空所(3)のポイントは「フードマイレージの注意点/問題点を述べる必要がある」と理解できたかどうかです。これを理解するためには(3)の直前にあるOn the other handが逆接を表す接続語句であることを認識して、we have to be careful with food mileageを見る必要があります。meritを挙げた前段落との対比であるため、demeritを挙げましょう。英文記事から材料は数多く見つけられます。しかし、以上を理解しても、本文引用の継ぎはぎでは点は伸びません。自分の言葉で書けていて、内容も大きく外れていない答案は2割ほどでした。

総じて、英文読解力の不足により1で得点できなかった人は、〈リーディング力向上 → ライティング力向上〉という優先度で、語彙力を強化したり接続語句を意識したりして、まず読解力を鍛えましょう。内容は読解できていたが、語法や構文の誤りであまり得点できなかった人は、文法を整理し、和文英訳から練習しましょう。

第2問【英文読解・グラフ読み取り】

大学入試でも問われることの多い内容一致式の選択肢問題を中心に構成しました。記号問題は、部分点がありませんから、正確な読解力をシビアに試されます。

問2のア~カは正答率が5~7割程度あったものの、問3の正答率は半分を下回りました。

問3は英文記事の筆者の主張を選ぶことから、第1問の英作文(2)(3)とも関連しています。問3で不正解だった人は、第1問でも何か勘違いしていた可能性があります。

問1のグラフ読み取り問題は、さらに正答率が下がりました。英文記事の第3~5段落との関連が重要です。不正解だった人は、もう一度丹念に読み返しましょう。

問4の和訳で最も誤訳が多かったのが、For a large portion of the year「一年の大部分/一年のうちかなりの期間は」の部分です。portionを知らない人は、下線部直前のduring the cold winter monthsから、農業における季節や旬についてイメージしましょう。the yearを「その年」と書いた人は「どの年」を指しているのでしょうか?慣用句better offの箇所を「~したほうがよい」と訳せている答案は多くあった一方で、offの意味を取り違え「~はよくない」とする答案や、「南米のトマトを輸入するより」と比較を逆転させた誤答も中には見られました。下線部和訳は、前後の文脈をよく把握することが大事です。

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