特集記事 5月号

実際に授業を担当している英語科職員より報告です

なぜ、英語を話せない?

冒頭から情けない話なのですが、かつて私が学生だったころ、街で外国人観光客に英語で話しかけられて、まったく返答できなかった苦い思い出が今でも鮮明に残っています。今このような仕事をしているくらいですから、当時も多少なりとも英語には自信があるつもりでした。しかし、所詮試験で英文を読んだり書いたりすることしかしていなかった私にとって、その場で話される英語を聞いて瞬時に応答するということは、到底容易ではありませんでした。私が何年も学んでいた英文法や英単語、これらはいったい何だったのか? そう思わずにはいられませんでした。

ただ、私が何年もの間学んできた英文法も英単語も、決して無駄ではなかったと今では考えています。しかし、それだけでは英語を話すことはできないのです。例えば野球を始めようと思ったときに、まず皆さんはコーチから正しいバットの構え方、ボールの握り方、もっと基本的なことも含めるならば野球のルールを教わるでしょう。もちろん、それらのことを知らなければ野球などできるはずがありませんが、知っていたとしても、それだけでは試合で活躍できる選手にはなれません。コーチから教わった「理論」を覚えたうえで、実際にキャッチボールやバッティング練習といった「実践」をたくさん行うことで、初めて試合で活躍する名プレイヤーになれるわけです。英語で言えば、バットの構え方のような「理論」に対応するのが学校で学ぶ英文法や英単語であって、一方でキャッチボール、すなわち英語を実際に話すという「実践」が、当時の私には欠けていたのです。これから学んでいく皆さんも、英語を話せるようになるためには、このような実践練習が不可欠であることを知っておいていただきたいと思います。

Y-SAPIX英語科、Best Teacherを導入!

Y-SAPIXでは昨年度より、この実践練習を行うための教材として、Best Teacher(略称BT)というオンライン英会話レッスンを英語受講生の皆さんに提供しています。座学による理論面での英語教育だけでなく、外国人講師との実践的なやり取りの経験を中1生のうちからコツコツと積んでいくことで、読む・聞く・書く・話すの4技能をバランスよく高めることができます。

そんなY-SAPIX自慢のBTですが、これは単なる英会話教材ではありません。実際、特に英語学習を始めて日が浅い中学生にとっては、いきなり「外国人講師と英語で会話してみよう」などと言われても困惑してしまうでしょう。果たしてうまく話せるのだろうか?そもそも何を話したらよいのだろうか?といった不安もあるでしょう。そこでBTでは、外国人講師とSpeakingレッスンを行う前に、チャット形式で英語のやり取りを行うWritingレッスンが用意されています。あるテーマについて実際に英語で話す前に、まずはその内容を文字で表現してみよう、というわけです。そこで行った英語のやり取りは、Writingレッスン終了後に外国人講師により添削され、さらにその英文が音声データ化されます。このようにWritingレッスンから始めることで、話す内容を事前に考えることができ、さらにその音声を聞いて発音練習をすることもできるので、先述のような不安を解消したうえでSpeakingレッスンに臨めるというわけです。

授業とBTで英語を学ぶ楽しさを感じましょう!

外国人講師とのマンツーマンレッスンの特質上、BTは基本的に家庭学習の一環として取り組んでいただく教材ではありますが、決して普段の授業から独立したものではありません。例えば、普段私が授業をする場合、「今学んでいる文法事項は、今回のBTレッスンでは実際にこうやって使うことができるのですよ」といった具合に、必ず文法事項とBTを結びつけて話すようにしています。また、Grade1(中1レベル相当)の英語では、9月期に過去形を初めて学びますが、9月期のBTのテーマに「今日あったことについて話してみよう」というものを用意しています。習いたての過去形を外国人講師とのやり取りに使うことで、英文法がいかに役立つかを実感することができます。あるとき、Writingレッスンの段階で、うまい表現が思いつかずレッスンを中断してしまっていた生徒がいたのですが、そんな彼に「この前こういう文法を習ったよね?」とヒントを提示したところ、はっとした表情でBTのWritingレッスンを再開し、楽しみながらどんどん英語を書いてくれました。

このように、BTは大学入試4技能化に向けた単なる英会話のための教材というだけでなく、Y-SAPIXで学んだ英文法を活用し、さらに理解を深める場であると考えています。私たちは、この実践活動を通じ、学んだ英文法を駆使してさまざまな英語の表現を自らアウトプットしていくということの楽しさを感じてほしい、と願っています。どんなことであっても、上達の鍵はその楽しさを実感することです。とりわけ、英語を話せるようになるためには、楽しく英語を使った経験の量が物を言います。

これをお読みの皆さんも、ぜひY-SAPIXで英語を受講し、BTで楽しく英語学習をしてみませんか?皆さんと一緒に英語を勉強できることを楽しみにしております。

大学入試改革に合わせ、スピーキング力の効果測定を段階的に実施

タブレット型試験

スピーキングテストでは生徒一人ひとりにタブレット端末とヘッドセットを配付し、コンピュータを利用した試験(Computer Based Testing=CBT)を実施します。録音した生徒の音声は、厳格な採点基準(後述)に基づき、外国人講師により採点されます。このようなタイプのスピーキング試験は、各種民間検定試験ではすでに一般的な形式となっていますが、学校や学習塾での導入例は少なく、Y-SAPIX独自の取り組みの一つです。

作題意図

Y-SAPIXのスピーキングテストは、基本的に以下の2つの方針で作題されています。

1.民間検定試験対策

大学入試センターによって認定された各種民間検定試験を強く意識した問題を作成しています。「今度検定試験を受けるが、スピーキング対策をどうしたらよいか分からない」とお悩みの方は多いと思いますが、Y-SAPIXのテストを受け続けることがそのまま検定試験の対策になります。段階的に難度を上げ、最終的には*CEFRのB1~B2レベルのスピーキング力を養うことを目指します。参考までに、大学入学共通テストが始まる2021年度以降の入試において、東京大学をはじめとする主要国立大学が出願資格として求めているのがCEFRのA2以上の英語力で、これはB1より一つ下のレベルです。

*CEFR:外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠。各種民間検定試験のレベルとCEFRとの対照表については、文部科学省のwebページをご参照ください。

2.Best Teacher効果測定

前述のとおり、Y-SAPIXでは、英語4技能育成カリキュラムの一環としてBest Teacherというオンライン英会話レッスンを導入しています。こちらは基本的にご家庭のパソコンやスマートフォンを利用して授業外に取り組んでいただくレッスンですが、定期的に実施するスピーキングテストには、その効果測定としての側面もあります。Best Teacherにしっかり取り組んだ生徒が点数をとれるよう、期ごとのレッスンと関連する問題も出題しています。

問題例

1.音読問題:表示される英文を正しく発音できるかどうかを確認する問題。

(Grade2(中2相当)問題例)
画面に表示される会話文の指定された文を、発音・アクセントに気を付けて音読してください(太字部分を音読)。

A: Welcome to ABC Bookstore. Can I help you?
B: Sure. I’m looking for a Japanese dictionary. I want a very easy one.
A: Ok then, how about this small one? This is new and not very expensive.
B: I see. It looks nice. I will buy this. How much is it?

2.資料・イラスト問題:与えられた資料の内容やイラストの状況を正しく読み取り、的確に答える力があるかどうかを確認する問題。

(Grade4(高1相当)問題例)
下のShangri-la Cityの地図を見て、Paradise Shopping Center までの道案内をしなさい。

3.意見陳述問題:与えられたテーマに関して、自分の意見とそれをサポートする理由を論理的に述べられるかどうかを確認する問題。

(Grade4(高1相当)問題例)
あなたは英語を勉強することは大切だと思いますか。賛成・反対の立場を明確にした上で、その理由を2つ挙げなさい。

4.Best Teacher確認問題:期ごとに指定されたレッスンにしっかり取り組んだかどうかを確認する問題。英問英答形式で、短い文で答える問題とまとまった文章で答える問題の2種類があります。

(Grade3(中3相当)問題例)
画面に表示される質問に英語で答えなさい。

※この日のBTレッスンテーマは「友人について話してみよう」でした。

採点方法

検定試験対策として広く活用していただけるよう、採点はスピーキングテスト専門の業者に委託し、民間検定試験と同じ方法で行っています。したがって、目標とする検定試験と同一の尺度で、客観的にスピーキング力を把握することが可能です。

主要な評価項目は以下の3点です。

  1. Achievement Degree:問いに対して適切な応答ができているか
  2. Pronunciation:発音・アクセント・文全体の抑揚の正確性
  3. Vocabulary/Grammar:語彙の妥当性、文法の正確性

この3点をどの程度達成できているかを数値化し、点数化していきます。

(採点例:音読問題)
Do you remember the day when we first met at the museum?

音読問題なので、Pronunciationのみの評価になります。12個ある単語の発音・アクセントとともに、イントネーションが正確かどうかを音声からチェックし、達成度の割合をベースに点数化します。この問題では、firstの発音やmuseumのアクセント、文末の上げ調子をクリアすることが、高評価を得るポイントとなります。

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