「日本語には動詞の過去形はありません」と書くと皆さんはどのように感じますか?「当たり前のことだ」ですか?「日本語だって過去のことは表せる。間違いだ」ですか?
今回は日本語における「活用」について考えてみたいと思います。
そもそも活用とは何かと言えば、「他の単語に接続するときに言いやすくするための変化だと思われます。日本語は語尾にさまざまなニュアンスを表す言葉(助詞、助動詞)を連ねることで複雑な表現を可能にしています。「行く」+「せる」は「行くせる」ではなく「行かせる」となり、「行く気がない人を(どこかに)むりやり行く指示を出す」という意味になります。連なる言葉によって「行く」の「く」の部分(活用語尾と言います)が規則に沿って、変わるのです。その規則が「活用形の種類」と呼ばれていて全部で6種類ありますが、皆さんは全て言えますか?この中には過去形はありません。連用形に過去を表す助動詞「た」を接続させて過去を表すのです。
「わたしきょういく」
これはなにを意味しますか?
タネを明かすと、「私 今日 行く」 すなわち「私は今日行きます」ということをひらがなで書いただけです。ひょっとすると「私教育」で「私(の専門)は教育(学)です」と捉えたでしょうか?いずれにしても「は」や「です」「ます」という言葉がつくと日本語らしくなるのです。内容のエッセンスだけでは伝わりません。ここに日本語の特徴である「複数の単語を連ねて、文の中での要素をはっきりさせる」=「文節」という考え方が出てきます。
母語の体系を知る重要性
それぞれの言語には特徴があります。英語を学習していると「動詞」がとても大切で、過去形は学習するうえで大きな関門となる場合があります。でも、英文に触れているうちに徐々に違和感はなくなり、当たり前のことと思えるようになるでしょう。(多くの皆さんがそうですよね)
では、日本語の特徴はというと、意外に説明しにくいのではないでしょうか?これは日頃、日本語を使っているため、その特長を気にしていないということと、そもそも使えようになる過程で体系的に学ぶことをしていないことに原因があります。
言葉を操るときに意味だけでなく、その言葉のもつニュアンスや加える言葉のもつニュアンスに敏感になると表現に厚みが増します。
A:「コーヒーになさいますか?紅茶になさいますか?」空欄□に入る言葉は何ですか?そしてその入りうる言葉は相手に失礼のないニュアンスを表していますか?いくつもの表現があり、それぞれ違うニュアンスがあることが分かったでしょうか?
B:「コーヒー□いいです」
リベラル英語 上本町校で実施!
先月、この欄で少しだけお知らせしましたが、11月にいよいよリベラル英語を上本町校で行います。
8月に首都圏で行った授業のうち、もっともベーシックな授業を行います。英語の学習を始めて半年経った皆さんを想定していますが、辞書なしでまとまった英文を読むという本格的な講座です。
「先生がずっと解説するからできるんでしょ?」と思うかもしれませんが、2時間、じっくり皆さんに英文と取り組んでもらうスタイルです。普段のY-SAPIXの授業と同様、講師から生徒の皆さんへの問いかけ、生徒の皆さんが応える。またその逆で生徒の皆さんからの質問、講師が応えるという双方向式の楽しい授業です。現在、このHP内で首都圏で行われたリベラル英語の映像を公開しています。よろしければ、覗いてみてください。
そして、Y-SAPIXでどんな授業を行っているのか興味のある皆さん。ぜひ、ご参加ください。きっと英語の学習が楽しくなることでしょう。