第22回 東大入試プレ問題分析〈数学・問題1〉

東大研究室

« 東大入試プレ問題〈英語・問題1〉の解答はこちらをご確認ください。

今回は東大入試プレ問題〈数学〉の整数問題です。
東大入試プレ問題にチャレンジしてみましょう。

数学

理科第1問

解答例と解説を表示

解答例と解説

東大入試に頻出の整数問題である。

「背理法」を用いる

(1)は、無理数の定義は、「有理数でない数」であるから、証明は当然「背理法」を用いることになる。

すなわち、
 
と仮定して、矛盾を示すのである。ここで、
 
より、pq は自然数で、かつ pq は互いに素と設定するのがポイントである。これにより示すべき目標が、「pq が2以上の公約数をもつ」とはっきりしてくる。

ガウス記号の扱いがポイント

(2)は、ガウス記号の扱いがポイントになる。

ガウス記号とは「x を越えない最大の整数を表す記号」で、
 
などが成り立つ。過去の東大入試でも何題か出題されている。本問では、
 
とおいて考えてみるとわかりやすいだろう。

ガウス記号の性質より
 
となるから、各辺2乗して
 
ここで、各辺4で割った余りを考えるとよい。

「平方数を4で割った余りは0または1」であるから、を4で割った余りは0または1である。よって
 
が成り立つ。

これより
 
となるから、
 

すなわち、の整数部分はm
 
が証明される。

この解法のポイントは、4で割った余りを考えるところで、
 m が偶数 ⇔ m2 を4で割った余りは0
 m が奇数 ⇔ m2 を4で割った余りは1
は重要な性質なので是非覚えておきたい。

整数問題は決まった解法パターンが存在しないので難しいが、できるだけ多くの問題にあたるようにして、解法の幅を拡げておきたい。

「Y-SAPIX Journal 2011 AUTUMN」より転載

次回は、「東大入試プレ問題分析〈国語・現代文〉」を掲載予定です。

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