第8回 「定員増」〜大学医学部を取り巻く状況

医学部研究室

「定員増」〜大学医学部を取り巻く状況

過去、政策により医師の数が削減されたり、新医師臨床研修制度の実施により、僻地・大学病院・特定の科での医師不足という現象が全国規模で生じました。

それに対し、国は2006年に「新医師確保総合対策」、2007年に「緊急医師確保対策」を打ち出しました。

具体的に言えば、医学部の定員を増やし、卒業後一定期間僻地などで働くなどの条件をつけた上で奨学金を支給する、という政策です。

それに基づき、医学部医学科の定員は2008年入試では前年比168人増、2009年は693名増、2010年は360名増とされました。

2011年度は国立18大学、公立1大学、私立7大学、計26大学で77名が増員されます。その内訳は

1. 地域粋増59名(地域の医師確保のための奨学金を活用し、選抜粋を設けることで増員を認める)

2. 研究医枠増6名(特別コースおよび奨学金を設けるなどを条件に増員を認める)

3. 歯学部振替枠増12名(歯学部定員を削減する代わりにその削減人数の範囲内で増員を認める)

の3種類になります。

2008年から2010年までの3年間、毎年三桁の増員をしたのに比べれば小規模ですが、それでもかなりの増員ということができます。ただし、2008年からの増員は2019年までの期限付きです。

いずれにせよ、医師になるのが1年遅れるたびにライバル医師の数が増え、より良いポストを得るのが難しくなりそうです。このことを踏まえたうえで、各自の受験計画を立ててみてください。

SAPIX YOZEMI GROUP「2011 spring医学部合格プロジェクト」より転載

次回は、『医学部入試問題 傾向と対策〈数学〉』を掲載予定です。

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